その先に待つもの

高校生のコタローと友達は異世界に迷い込む。今まで幾度となく勇者が魔王に敗れてきた?世界でコタローは魔王に勝てるのだろうか!?
そして魔王を倒せば元の世界に戻れるのだろうか?
世界を救う謎だらけの異世界ファンタジー



作中のゲームの内容

異世界から転生して来た少年達は村人達から衝撃の事実を伝えられる。
それは魔王を倒さなければこの世界は数年後滅んでしまうこと、そして魔王を倒す事が出来るのは異世界から来たものだけだと言うことだ。
彼らは村人達からもらった刀をとり辛く険しい道のりを進み、魔王の城を目指す。
──────────────────
1
この世界ではゲームが流行っている。

名前を【release】

その名の通り魔王の魔の手からその世界に住む人達を救う(開放する)ゲームとされているのだが、

そのゲームにはクリアした者しか知らない秘密があった─






 そしてここはとても暗い世界。

そこに男が一人。

ここは外なのだろうか中なのだろうか、そんな事は彼にとってどうでも良くなっていた。

男はマントをたなびかせながら遠くの方を見つめている。

「さぁ、早く来い。」

誰かを待つ。

誰を待っているのか、いつその待ち人が来るのか男は分からない。

しかし、希望を捨てない。

自分を開放してくれる何かがくるその日まで─

2

勇者が魔王を倒すゲームが流行っている。

コタローもそのゲームに取りつかれた一人。

コントローラーを熱心に動かす。

「ようやくたどり着いた!」

目の前には大きな城が佇んでいる。

「よし、今日はここまでにして明日にするか!」

胸が踊るのをおさえながら今日は休む事にした。

 次の日、学校でいつものように休み時間にゲームの話題で語り合い時間がどんどんと過ぎてゆくように思えたが、昼休みの時の事。

屋上で友達5人で会話をしていた。

「クレはゲーム何処まで進んだ?」

「全部クリアしたよ。」

「おおっ、凄いじゃん!エンディングどんな感じだった?」

「それが…」

その時だった。黒い霧が屋上にいるコタロー達を包み込む。

「うわっ、何だ?」


 目を開けると目の前には雄大な自然が広がっている。

周りを見渡すと見た事もない生物が飛び、動物のようなものが野をを這っている。

コタローには全く見覚えのない風景だったが他の人なら知っているかもしれないと

「ここ、何処?」

「分からない。でもここにいると危険だから町を探そうよ。」

イチはそう言い歩く。

イチは先頭を走っていくような人。

そしてそのまま誰よりも先に何処か遠くへ行ってしまいそう。

コタローは心の中で仲間の紹介をする事にした。

次はシートは親思い。

チカイは約束を必ず守ってくれる。

クレはいつも大事な事を教えてくれない。

そしてこの中で唯一のゲームクリア者だ。

何故紹介をしようと思ったのだろうか、コタローには分からない。

その答えには時が流れるにつれてわかってくるだろう─。



そして5人は歩き村につく。

そこには、古い衣装をまとった人達が生活をしている。

「あれ?ここってもしかして」と、クレが言いかけたとき村人が話しかけてきた。

「やぁやぁ、旅のお方ですね。村の外には魔物が一杯いてお疲れでしょう。どうです、今夜は家に泊まっていきませんか?」

「それじゃあ、お願いします。」


そして夜になった。

コタローは突然の尿意に目が覚めた。

トイレに向う途中声が聞こえてきた。

どうやらイチとクレが何やら揉めているようだ。

「それ、本当かよ⁉何で初めに皆の前で言わなかったんだよ!」

「言おうとしたさ…でも、それを言っても何も解決しなかっただろ!」

「言い訳はいいんだよっ!」

コタローはまずいと思い仲裁に入りにいった。

だが二人はコタローを見るやいなや何事もなかったかのように振る舞い寝床へと戻って行く。

どうしたのか心配したが眠かったので考えるのをやめ寝る事にした。


村長の部屋では夜遅くにも関わらず明かりがついている。

「また、来たか。」

「えぇ。前の者は屈強そうな6人の男達だったんですがねぇ。今度のは望みが薄いでしょう。」

「それは残念じゃ。わしが生きている間に平和な世界というものを見たかったよ。」


朝が来た。

目を覚ましたコタロー達は村をでて元の世界へ帰る方法を探索することにした。

「待ってください」
 
泊めてくれた男の人が何かを持って近寄ってくる。

「コレを持って行ってください」

どうやら剣のようだ。

「何から何までありがとうございます。護身用の為に使わせてもらいます。」

「では、勇者御一行様。」

そう言い立ち去っていった。

コタローは何か引っ掛かったが気にせず前に進む事にした。

「コタロー剣なんか使った事あるのかよ?」

「使った事なんかないよ!でもしょうがないだろこんなところで丸腰だと危ないし。」

ドシンドシン

前から2メートルくらいの大男が剣を持って近づいてくる。

「うわっ。何だあれ!」

「エヘヘ、おまえ達は終いだ!」

男はそう言い剣を振り落とした。

コタローは思わず目をつぶってしまう。

その時だった。

剣が一人でに光を放ちはじめる。

大男は目をやられ藻掻く

「今だ!逃げろ。」

コタロー達は必死で逃げる。

大男が見えなくなってもずっと。

すると大きな城が見えてきた。

それはとても大きく禍々しいオーラを放っている。

コタロー達は一端その城に隠れる事にした。

「ハァハァ、あいつ追ってきてないよな?」

「それは大丈夫だろ。それよりもここ本当に安全なのか?」

まわりには棺桶が沢山置いてある。

コタローは棺桶に何か文字が書かれている事に気がついた。

〈旅立った友へ
あの時助けてやれなくてごめんな。
あれからな、他の奴らも皆何処か行っちまった。俺悔しくて悔しくて
悪いなこんな事書いちまって、どうやら今客が来たみたいなんだ。また後でな〉

それ以降は何も書かれていない。

何があったのだろうか。

この城には人や魔物の気配は一切ない。

「気味が悪いからはやくここから出ようぜ。」

その時だった。
急にコタローの持っていた剣が浮き始めとても眩しい光を放つ。

“君達は新たなる勇者。

魔王を倒す為にここに他の世界から送られてきた。

この世界の命運を任せる。”

そう告げ剣は光を失い浮遊をやめた。

「おい、どういう事だよ!どうやったらこの世界から抜け出せるんだ!」

しかし、剣はもう何も話さない。

コタローは何かに気がついた、いや前から薄々勘付いていたと言うべきか。
ここがある場所と全く同じだと言うことに。

「ここは多分『release』の世界なんだよ。」

「確かに似てるけどそんな筈は…」

「クレも気付いてただろ。昨日イチと話していたじゃないか。」

「話聞いていたのか。僕も最初は違う思ったんだけどね。」

「取り敢えず、戻る方法の一つはこの世界を救う事だと思うんだ。クレは『release』クリアしてるからクリアしたあとの事知ってるだろ?」

「あぁ。そんな感じのラストだったよ。」

そう言ったクレの目は後ろめたそうに思えた。

「そうか!良かったそれならこれからする事は決まったな。魔王の城へ行くぞー!」

この時コタローはこれからどんな事があっても絶対に挫けないと心の中で思ったのであった。

3

それは話しながら歩いている時の事だった。

「そういえばこの世界で俺一回も戦った事ないー。」

「こんなんじゃあ魔王の城についても絶対戦えないよ」

コタローは頭を抱え込んでうなだれた。

「ここらにいる魔物で試し斬りしてみれば?」

「いや、魔物が可愛そうで出来ません。」

「ゲームみたいに相手から襲いかかってくればいいのに。本当に襲ってきたら怖いけど。」

「まぁそれは後でいいか。」

「ゲームの事を話さないかな。裏技とかあったらこれから役に立つかもしれないし。」

「あっ、裏技じゃないけど疑問があるんだよねあのゲーム主人公一人なのにこの世界では5人いる事になっている。これってどう言う事?」

そう話していると、村が見えてきた。

「まぁ、そんな事より今日の宿だ!」

向かう途中コタローとすれ違った町の住人が何処か暗いように見えた。

「おい、ここ何か雰囲気おかしくない?」

「気のせいじゃないかな?」

「そうか?」

そして太陽が沈みかけた時の事。

コタロー達は夕食を食べていた。

「ここの料理絶品だね。」

「あぁ。最高だよ」

すると外から物凄い声が聞こえてくる。

「勇者がいる事は分かっている。はやく出せ!」

コタローは外に出てみると、前に自分達を襲った、大男の化物が狼のような魔物を引き連れて村人達を襲っている。

「やめろー!」

コタロー達を見るやいなや大男は魔物達に命令した。

「いけ、奴らを一人残らず倒すんだ!」

魔物達はコタロー達の首に噛み付こうとする。

「うわーっ」

コタローは肌見離さず持っていた剣で魔物達を貫く。

魔物達の血しぶきを浴びる。

その時何かが少し黒く染まったような気がした。

「なかなかやるな」

と今度は大男がドシドシと迫ってくる。

コタローは初めて生物を殺してしまったと悪い気持ちで一杯になり震えている。

そんな事は気にも留めず大男は剣を振りかぶりコタローの頭上へと勢いよく振り下そうとしたその時。

「何やってんだ、前を見ろ!」

イチだ。

その声は無気力状態だったコタローの目を覚まさせた。

キンッ。

ぎりぎりで相手の剣を受ける。

しかし相手は振りかぶるモーションが長くコタローより力が強かった為、吹き飛ばされた。

「うわー」

大男の化物は休む暇を与えない。倒れたコタローを刀で突き刺そうとする。

剣で迎え撃とうとするが手が痺れて動かない。

終わったと思ったその時だった。

「やめろーっ」

その声とともに前に仁王立ちするイチのかげをみた。

何が起こったのだろう。

目の前にはイチが倒れている。

「おい、どうしたんだよ!」

イチは今にも消えそうな声で

「ゴメンよお前とはもう一緒に行けそうにない。短かったけどこの世界で過ごした時間楽しかったよ。実は君に隠していた事が…」

そう言いイチは息を引き取った。

それを見た大男の化物は声高らかに笑う。

コタローは笑う大男を睨みつけ大男に襲いかかる。

一人倒して油断していたのか剣が大男のお腹に突き刺さる。

「グハッ」

倒れた大男のお腹にコタローは何度も剣を突き刺す。

「ちくしょう、何でだよ!」

涙を流しながら何度も何度も。

大男は消えそうな意識の中

「何故俺はこんな事になってしまったんだ」
と言い目を閉じた。

大男が倒されたからか魔物達はクレ達を襲うのをやめ、森へ帰っていく。

クレは残された狂気、友人の死を目の当たりにした。

「もうやめろよ!終わったんだから…」

返り血で一杯のコタローを止めさせる─



コタローは悲しみの中イチとの思い出を振り返っていた。

それは、ある日イチともう一人の子と遊んでいる時の事だった。

「タイムカプセル埋めないかな?」

それは唐突にイチが放った言葉。

「俺には夢があるんだ。それはどうやっても叶わないかもしれない。でも今の自分は諦めたくない。だから未来の自分にも諦めて欲しくない。それを伝えたいんだ。」

「いいぜ埋めよう。」

三人は自分の好きな事を書き同じ箱に埋めた。


しかし、そのタイムカプセルを掘り返す時は来ない事をその時三人は知らない。


村の隣にお墓を建てた

「不甲斐ない俺でゴメンな。
もう誰も絶対になくさないからな!」

「俺達にも刀があれば。」

墓標の前にいるコタロー達に村人達が話しかけてきた。

「魔物の手から守っていただいてありがとうございます。助けていただいたお礼に私共に出来る事がありますれば何でもおっしゃってください。」

「では、刀を3つ下さい。こんな悲劇がもう起こらないために。」

「はい、分かりました。」

4人は刀を貰い次の場所に向かう。

今回の出来事で彼らの心はズタボロになり今にも挫けそうにだった。

4


 少年が魔物達に追いかけられている。

「助けてー」

そう叫ぶ声が何もない荒野を虚しく響かせる。

進めど進めど誰もいない。

「約束したのに…あれは嘘だったのかよ。」

少年は小声でそう呟き涙を流す。

「うわっ」

石につまずいてしまった。

魔物達が少年を囲む。

もう終わりか。

過去の記憶が走馬灯のように頭の中を浮かぶ。


 そう、あれは数カ月前の事、
僕達の村は魔物に支配されていた。

村人達は奴隷のような扱いをうけ、皆毎日を地獄のように暮らしていた。

ある日、魔物達が出払っている時、僕達のの村を謎の旅人達が訪れる。

村人達はよそ者だ、どうせ助けては貰えないと諦めていた。

だが、僕には不確かな確信があった。

「お願い僕達を助けて!魔物達から村を開放して!」

すると旅人の男の人が、前に出てきて少年をポンと頭を撫で、

「いいぜ、助けてやるよ!」

しかし、その旅人達のリーダーのような男が

「ふざけんな、何でそんな事をしなきゃいけねぇんだよ。俺達は慈善事業やってるんじゃねぇんだぜ!」

「別にちょっとくらい、いいじゃないか、お前戦い好きだろ?」
「それで坊やその魔物達は強いのかい?」

「うん。村人の幾人かが昔立ち向かったんだけど返り討ちにあっちゃんたんだ。」

「ふっ。強いのか、今日はここに泊まるぞ!」

そういい彼らは宿に向かった。


そして夜の事、少年は真夜中に目が覚めた。

外が騒がしくなっているのが聞こえる。

どうやら魔物達が村に戻って来たらしい。

家のドアを開けると旅人達がいた。

まわりには魔物達が倒れている。

驚きの余り声が出なかった。

それもその筈、村人達を絶望へと誘った魔物達をたった一晩で。

何かを思い出した、少年は旅人達に駆け寄る。

それに気づいた、男の人がにこやかに

「やぁ、終わったよ。結構大変だったけど」

「そいつらだけじゃないんだよ!そいつらに司令をだしているやつがいるんだ!」

「こいつの事か?弱かったぜ」

とても暗い少し離れた方から旅人達のリーダーのような男が何かを引きずりながら歩いてくる。

「そ、そいつだよ…」

「ハッハッハ。やっぱり凄いなお前は。」

「いや、こいつが弱すぎんだよ。」

「あっ、あの僕達の村を救ってくれてありがとう。」少年涙を流しながらそう言った。

「俺達は単なる気まぐれでやっただけだぜ。おまえ達のためにやったんじゃないからな」
旅人のリーダーのような男は後ろを見ながらそう言った。

「まだ何かあるかも知れないけど今日はもう遅いからまた明日…な。」

「うん。今日はホントにありがとう。
あと、一つだけお願いがあるんだけどこの村にずっといて!返事は明日聞くから、じゃあね!」

少年は寝る事にした。


少年は目覚めて旅人達の宿に向かおうと外に出ると手紙が置いてある。

そこには

“助けを求めた少年へ

黙って出る事を許して欲しい。
俺達はこれから魔王を倒すために旅を続けなければならない。
でも心配はいらない。すぐに平和にしてみせるから。

もし、魔王を倒してもこの世界から魔物がいなくならなかったら、この村に戻り俺の命に変えても君達を守る。
約束だ。

旅人の一人より”

「うん。約束だよ!」

少年は小声でそう呟く。

ずっと僕は村人達と仲良く平和に暮らせると思っていた。

だが、ある日の事

「大変だー!」

僕は何だと思い声の方に向かってみると。

どうやら村の外で魔物に襲われ怪我人が出たらしい。

その日から村人達は村の外に出るのをためらうようになった。

いつになったら平和が訪れるのだろう。僕は家の外であの旅人を待つことにした。

毎日毎日。

少年が待つのを諦めそうになった時、遠くの方から人影が見える。
昔会った旅人の大きさくらいの。

「おじさん!」

涙を流し向かっていく。

しかしそれは人形の魔物だった。

僕はすぐに引き返し家の中に入った。

これは夢なのでは?とベットに入りその日は休む事にした。

少年は窓の外で光る朝日で目を覚ます。

僕はいつものように外に出てあの旅人を待とうとした時、外で何かの異変に気がついた。

村人が家の外にいない。

おかしいと思った僕は村を見て回る事にした。

すると、見た事がない家が建っていた。

窓から中を覗いて見るとそこには昨日見た魔物が寝ている。

「うわーっ」

僕は走って家に戻った。

「あれは現実だったんだ!」

「誰も外にいなかったし、皆食べられちゃったのかな?」

僕は震えて家の外に出る事が出来なかった。

そして数日がたち、外で話し声が聞こえた。

村人達だ。

「皆無事みたいで良かった。」

しかし村人達は昔のように生気がない。

久しぶりの外で散歩している途中僕は怖い話を聞いた。

「ハグレさんの家族何処にもいなかったんだがどうしたんだろうか。」

「もしかしてあの魔物が食べてしまったんじゃないか?」

「それでは私達もこのままここにいれば食べられてしまうんじゃないか。」

僕はその話を聞いて怖くなり村をでた。

必死に走る。

僕は村の外には魔物が沢山いるのを忘れ走り続けた。

走り疲れた僕は地面に倒れ込む。

「ハァハァ。あの日から大分経っているのに全然平和になってないじゃないか!」

僕は悔しくなり叫んだ。

その声を辿る怪しい影が少年の後ろに─





目を覚ますとまわりに魔物の姿はなく、少年の体はボロボロになっていた。

「大丈夫か?」

少年は誰かの声を聞いた。

少年は消えそうな声で

「僕の村を助けて。」

「あぁ、分かった。」

「それは何処にあるの?」

少年は震える手を押さえつけながら後ろの方角を指し、「あっち」と言い力尽きた。

「おい、大丈夫か?」

「コタローこの子死んでる…。」

少年は消えゆく意識の中最後に思った。

「コタロー村をお願い…。」

5

コタロー達は少年の言っていた方角へ向かった。

「しっかし、ここって何もないな。」

4人は荒野を虚しく歩く─。






村人達が皆同じ方向をみて怯えている。

いつの間にかにできていた魔物の家だ。

「さ、さっきあの家に入っていったよな?」

「もしや、この村を襲う計画をしているのでは?」

「やられる前にやらなければ村は全滅してしまうぞ!」

「そうだ!そうだ!」

「しかし、昔魔物達に逆らって死んでいった者がいただろう。」

その言葉で皆戦意喪失してしまった。





家の中では

「何故お前達は俺の命令に逆らったのだ!」

「フェッフェッフェ、ミィ達は魔王様からはセツナ様の監視を命じられたんでねぇ。アンタの命令に従ういわれはないんでねぇ。」

「黙れ!」セツナが腰に刺していた刀を振りかざす。すると雷が上から落ちてきた。

「ギャー」

魔物は跡形もなく消え去った。

「やはり違う者に任せるべきではなかったか。」

「すまない。守れなくて」

彼は申し訳なさそうに窓の外の空を見つめた。

そしてはーっと大きくため息をつき、床についた─



コタロー達は荒野を抜け森の中に入った。

「ここら一体魔物気配がする。」

「なら、まわりに気をつけなきゃな。」

まわりを見ながらコタロー達は慎重に進む。

「コタローサン、コタローさん」

その声がコタロー達の空気を一変させた。

「な、なんだ?」

どうやら剣が発している声のようだ。

「どうやらオイラのレベルが上がったようでゲス。」

何だこいつはと皆引いている。

「お前性格が最初と変わっているじゃないか!」

「いいえねぇ。ある条件を満たすと変わっていくんですヨォ。それよりもアッシ魔法が使えるようになりましたゼス。」

主語と語尾は統一しろよという目で刀を見ながら言った「その魔法って何だ?」

「オイラをかざせば炎がでるんですょぉ。歓喜いっぱぃー」

「おぉ、それは凄いな。しかし何で今更それを教えたんだ?」

剣は小さい声でボソッと「いやぁねぇ、今回のやつは進行がはやすぎるんでねぇ。」

「えっ、何て言った?」

「それじゃまた!シーユーアゲイン」

何かまずいと思ったのかそれ以降剣は何も語る事はなかった。

「おい、コタローそんな奴にかまっている場合じゃないよ!」

まわりには大量の人形の魔物達がコタロー達を囲んでいる。

「ここは四死王のセツナ様の支配域だ!我らはここから先如何なる者が来ようと、絶対に通すなと命ぜられている。」

「ここから先を通りたければ我々を倒すのだな」

笑いながら近づいてくる。

魔物はとてつもない数いる。

「新しい技を試すチャンスだ!」

刀をかざすと魔物達が炎に包まれる。

「ギャー」

全ての魔物が一瞬の内に黒焦げになって倒れた。

「凄い、チート技じゃないか。」

「技名考えよう!」

「むー、そういうの苦手だなー。」

クレは何かを伝えたそうに言った

「トリィストフレイム何てのはどうかな?」

「おぉ!よく分からないけどそれにするよ!」

コタロー達は魔物達が倒れるのを尻目に村へ向かった─。




「ひぃぃ。」

村人達が怯えている。

目の前には一体の人形の魔物が

久しぶりに村人の前に出てきた。

魔物は心苦しい表情で

「この村は魔王様の幹部セツナが占拠した!」

「この村から一歩でも外に出てみろ。我の部下共がおまえ達を襲う!
お前らは我らに怯えながら一生ここに暮らし続けるのだ!ハーッハッハッハ」

そう言い残しセツナは自分の家に入っていった。

そこでセツナは胸をさっと撫で下ろし、

「抵抗するのは大変なんだからな。」

と言い床についた。

外では村人達が話合っている。

「おい、どうする?」

「あいつがいる限りこの村に平和は来ないんだぞ。」

「見てきたんだがあいつ今寝ているぞ、今ならあいつの家を燃やしても気付かれないはずだ!」

すると一人の少女が場違いな事を言い出した。

「あのお兄ちゃんがいる限り村は平和って事でしょ?お母さん何でみんなは追い払おうとするの?」

「なんて事言うの!」

バチン

母親が少女のほっぺを叩いた。

「すみません。」

そう言い二人は自分の家に入っていく。

村人達はその少女の言葉を聞き皆黙ってしまった─


「よーし、村が見えてきたぞ!」

コタロー達はやっと村についた。

しかし村人達はいない。

見回っている内に少女が泣いているのが見えた。

どうしたのか聞いてみると

「私間違った事言っていないのに、お母さんが酷い事するのよ。」

「何を言ったんだい?」

そう聞いた瞬間だった。

「コタロー危ない!」

後ろには剣勢いよくあげている魔物の姿があった。

そして思い切り振り下ろした

コタローはギリギリで剣を受ける。

「あっぶねぇー。」

「誰だ、お前は?」

「四死王が一人セツナだ!」

「四死王って何?」

「もう一人のタケヲを倒したのだろう。部下共に聞いたぞ。奴はそれについて何も言っていなかったのか?」

「タケヲって誰だよ!」

「貴様、倒した相手の名前すら覚えていないのか。」

「しかし、お前はこれから死ぬのだそんな者に教える事など何もない!」

そう言い剣を振りかざした。

辺りに雷が落ちる。

「うわっ、なんだこれ!」

「魔王様に与えられた力だ。タケヲは知らずに逝ったようだがな!」

「だからタケヲって誰だよ!」

剣と剣がぶつかりあう。

コタローは体勢を崩す。

「うわっ、しまった!」

目の前には敵の刀身が、

「ちくしょう!こうなりゃ焼けくそだ!」

コタローは目をつぶり思い切り剣を振り抜いた。

目を開けると前にはセツナが倒れていた。

「どうして?」

コタローは倒れたセツナに多くの疑問を問いかけた。

「どうして手元を、緩めたんだ?」

その問いにセツナは不敵に笑っている。

「どうしてお前は村人を一人も襲わなかった!」

「小僧、一つだけいい事を教えてやる。世の中にはな、知らない方が幸せな事もあるんだぜ。」

「コタロー離れろ!」

クレに押しとばされた。

「クレ何をするんだよ!」

その直後だった。

ゴロゴロッという雷鳴と共に

セツナの所に雷が落ちた。

「なっ」

コタローはその光景に驚きを隠せない。

セツナは消えてなくなった。

「どうしてだよー!」

コタローはそう叫び続けた─




村から人がでてくる。

「あぁ、魔物からこの村を救って下さりありがとうございます。」

殆どの者がコタローに感謝をする中少女はセツナの死を悲しんだ。

コタローはその少女を見てなんだかいたたまれない気分になる。

その気持ちを抱えながらコタロー達は次の町へと出発したのだった─


6


「魔王様、報告します。四死王セツナ様も勇者の前に敗れ去りました。」

魔王は笑いながら
「そうか、ようやくだ!私はこの時を待っていたのだ!」

長期に渡り待ちわびていたがやっとこの日が来た。魔王はとても嬉しかった。

「そやつらはどのくらい強さは如何なるものだ?」

「タケヲを運良く倒し、セツナはわざと奴らに負けたと見えました。運だけはいい奴らですよ。」

「それではまだまだ駄目だ。しかし、まだまだ在庫はある。この余興を楽しもうではないか。」

そう言い魔王は、今後の事について部下に命令を下した。

魔王が退屈だと思ったその時だった。

「まっ、魔王様
裏切り者が攻めて来ました!」

「何?誰が攻めてきた?」

「テストの軍勢です。」

「ほぅ、そうか。それなら私自ら出よう。」

そう言い魔王は城を出た。

見渡す限り魔物の群れ。

先頭には大将らしき魔物がいる。

「フッハッハッハ」

魔王はこの状況を笑っていた。

軍隊の大将のテストは怒りながら言った。

「何がおかしい!」

「正義は如何なる時でも勝つ!それをこの地に刻めるのだからなぁ。こんなに素晴らしい事はない。」 

「何言ってやがる。お前は魔王だろ!お前のナカマになった頃から頭のおかしい奴だと思っていたが、これ程とは。」

「お前は何か勘違いしているようだな。お前の思っている人間とは違うのだよ。」

「いいや!お前はアイツだ!おいらは今でもあの感触を覚えている。苦痛、痛み、そして絶望俺はそれを一度に味わった。絶対に忘れるものか!者共かかれ!」

軍勢が魔王達をめがけて走ってくる。

魔王が何かに話しかける。

「おい、起きろ。久しぶりの仕事だ。」

そして魔王は剣を振りかざした。

すると、暗黒の炎が軍勢を包み込む。

「ギャー」という悲鳴と共にテスト以外の軍勢は跡形もなく消えてしまった。

「だから言っただろう正義は必ず勝つんだよ。」

一瞬で塵になる部下達を見たテストは震え逃げ出した。

「逃がすか!」

魔王の剣が一人でに動きだし、逃げるテストのお腹を突き刺した。

「戻るぞ」

魔王はそう言い城へと帰って行った。



城内では部下が話をしていた。

「魔王様はたまに独り言を言ってらっしゃる。」

「ついさっきも自分の部屋に戻る最中ずっと言っていた。」

部下達がキィと言う音とともに部屋を少し開けると、何やら魔王が一人でブツブツ言っている。

耳をすませてきいてみると。

「今回の眠りは長かったぞ。私を退屈させないでくれ」

「えぇ。スミマセンねぇ。私眠らないと力が出せないんですよぉ。」

「そうだったなぁ。しかし、テストの奴は排除しなくて良かったのではないか?」

「いえいえ、誰かにここのルールを知られてもらっては困るんですよ。」

「ルール?私もまだまだこの世界の事はよく分かっていないのだ。教えてくれないか?」

「あっ、ヤバッ。声に出てましたか正直でスミマセンねぇ。今の忘れてください。」

「そんな事を言わないでくれよ、お前はアイツではなく私を選んだのだろう。」

「あぁ。そうでしたねぇ。」



「やはり魔王様は一人で何かをおっしゃっていた。」

そう言い魔王の部屋のドアを閉めた。

ガチャ

その音と共に

「なにやつ?」

剣が音の方をめがけてとんでいき、立ち聞きしていた部下達を切り裂く。

その刀身には歩いているコタロー達の姿がうつっていた。

7

 コタロー達は次の町についた。

町の隣には大きなお城が建っている。

「あの城でっかいなー。」

今まで村と廃城にしか行った事がなかったのでコタロー達はとても驚いた。

この世界にこんな国があるだなと

コタロー達はいつものように宿をとり、町を探検してみる事にした。

町には武器屋があった。

「おっ、コタローあそこよってみようぜ。」

「へい、いらっしゃい。何にします?」

「あっあの、この世界のお金持ってないで買うのは…」

「お金?お金ってなんだい?」

「買うために必要なものです。」

「うちは食料や水、武器などと客が選んだ交換しているよ。君の腰にさげている刀なんかいいね!」

「あっ、これでいいんですか?」

そう言いコタローは最初の村で村人から貰った剣と剣4つを交換した。

「この刀はとても珍しい。相当な値打ちものだ。」

「急に話し出すし、とても不気味でこわかったんですよ。厄介払い出来てとても助かります。さようなら!」

「話す?そんな剣ある訳ないだろう。」

店主は目を閉じると何かを思い出した。

いや、そういえば昔何処かで聞いた覚えがあるぞ、勇者にしか聞こえない声があると。

店主が目を開けるとコタロー達はもう居なかった。

コタローは怖い刀が消えて嬉しそうに武器屋を
後にする。

クレが心配そうにコタローに話しかけた。

「大丈夫なのかな、一応あれ勇者の剣なんだろう?」

「平気、平気あんなのなくったって魔王に勝てるさ。」

コタローのその根拠のない自信にクレは余計に心配になった。



 この国の城には一人と一体が住んでいた。

魔物が痩せ細った女性の看病をしている。

「わっ、私もう駄目かもしれない。」

「そんな事を言わないでおくれ。」

「あなたと過ごせた日々は最高だったわ。永遠の幸せをありがとう。」

そう言い彼女は目を閉じた。

「エイコォォー」

そう言い彼は涙を流した。

すると、何処からか声が聞こえてきた

「へっへっへっ、ざまぁねぇな。魔王様の命にそむき人間の女などにうつつを抜かしているからそんな事になるんだよ!」

「黙れ、お前に何が分かる!」

「人間の女の事などさっさと忘れ勇者を倒しにいけ!魔王様からの恩を忘れたのか?」

「俺は人間を捨て魔物などに蘇りたくは…」

そう言った時彼は彼女との約束が脳裏を過った。

あのまま死んでいたら彼女との約束を破ってしまっていた。

そう思いその先を言えなかったのである。

「どうした、その先を言ってみろよ!言えないのか?」

謎の声があおってくる。

「黙れっ、黙れ、黙れーっ!」

魔物はそう言い剣を振りかざした。




宿に戻ったコタロー達は宿で武器屋の起源を聞いた。

「向こうに大きな城があるだろう。」

「あの城に昔魔物が住み着いていたんだ。それから武器屋ができたんだよ。」

「身を守るためにな。だけど今はあの城に魔物は、いねぇ。昔…」

その時だった。

城の方から大きな爆発音が。

「なっ、何だ?」

コタロー達は宿の外に出てみると城から煙が出ている。

「行ってみるぞ!」

そしてコタローは城へと向った─


城の中に入るとそこには人形の魔物がいた。

何やら苦しそうにしている。

「なんだ、お前は!ここで何をしている?」

「驚かせてすまなかった。今この城からでていく。」

すると、何処からか声が聞こえてきた。

「そいつ等は勇者だ、エントよ戦え!」

「そうか、あいつ等が…。」

「でも君達と戦う気はない。俺は現状に抗うのがやっとで精神も体もボロボロなんだ。」

「そんな事は許さんぞ!」

その声と同時に剣が浮きあがる。

その直後魔物の身体に謎の光が降り注いだ。

「グハッ、俺を操るつもりか?」

魔物は苦しそうにもがいている。

光がやんだ次の瞬間、コタロー達に剣で襲いかかってきた。

「うわっ。戦わないんじゃないのかよ!」

魔物は何かに取り憑かれたように見えた。

「しょうがない、今日交換した剣を試してみるか!」

剣を抜いた。

「なっ…」

その時彼は驚いた。

さっき交換したはずの剣だったのだ。

「どうして…」


コタローが剣の事に夢中になっている時相手が襲いかかってくる。

その時刀が光を放った。

魔物が目をやられ唸っている

「早く倒しなさい。」

剣は魔物を倒す事を強要している。

「イヤだ!あいつはきっと誰かに操られているだけなんだと思う。だから…」

「奴は四死王の一人なんだぞ!」

「なっ、なんだって。でも、お前は何でそれを?」

その時うっすらと誰かの声がきこえてきた。

「俺を殺してくれ」

それが何度も何度もコタローの耳に、

「もしかして君が?」

魔物に語りかける。

「そうだ。俺は大切な人を失ってもうこれから生きていく気力もない。お願いだ。」

「そうか…」

コタローはそう言い剣を魔物に突き刺した。


「君達ありがとう。これでようやく永遠に二人でいれそうだよ。」

魔物はそう言い何処かへと旅立っていった。  

コタローは上を見ながら
 
「2人とも幸せになれればいいな。」
 
クレがそれに応える。

「大丈夫きっと幸せになれるよ。」


コタロー達は次の場所に向かう途中ふとした疑問が頭の中を過った。

「そういえば何で刀が戻っていたんだ?確か交換したはずじゃあ?」

刀が応えた。

「お前らは永遠においらを手放せないんじゃ!だから戻ってきたんでしゅよ。」

その時のコタロー達には剣が言っている事の意味がよく分からなかった。 

8
コタロー達は道中ボロボロになっている城に立ち寄った。

「ここって何でこんなにボロボロなんだろうな?」

「さぁ、分からないよ。」


「そういえばクレ、俺もうちょっとでゲームクリア出来てたんだよね~。ずっと気になってたんだけど、どんなラストだったか教えてくんない?」

「前にも言った通りハッピーエンドだったよ…」

クレはうつむきながらそう言った。

「主人公達は元の世界に帰れたの?」

「いや、魔王を倒した後主人公達は村人達と仲良く暮らしたで終わりだよ。」

「えっ⁉」 

コタローはクレの放った言葉に驚きが隠せなかった。

「この世界とゲームの内容が殆どそっくりでもゲームと同じ最後になるとは限らないよ。」
「まず僕らは転生してここにきた訳じゃないんだし多分戻れるよ。」

「きっとそうだよな!イチも全部終わったらきっと生き返るよな。」

ガタッ

コタロー達はその物音を聞き、声のボリュームを下げた。

「ここって誰か住んでいたのか?」

「いや、普通の村人とかがこんなところに住むはずがないだろ!多分前の時のように魔物だよ!」

カッカッカッ

足音が近づいてくる。

「誰か、来るぞっ!」

コタロー達は恐る恐る足音の方を見るとそこには魔物がいた。

「やっぱり、ここで俺達を待っていたんだ!」

「どうするの、倒す?」

「いいや、様子を見てみよう。」

コタロー達はその魔物を観察する事にした。



すると何かを話しだした。

「我らの行く先に希望はあるのか。いや、希望などなかった。」

「始まった時から終わっていたのかもしれない。」


コタロー達は小さな声で話し合った。

「あいつ一人で何か言ってるぞ」

「あぁ、分かってる。でもこれからどうする?」

「このままここに居てもいつかは見つかってしまうだろうしな…」


「旅の者よ、最初からいるのは分かっていた。こっちに来なさい。」


コタロー達は気付かれたと思い刀を構える。


「私は君達と戦う気はない。」

俺達を見ても何も反応を示さない魔物を見てコタロー達は警戒を解いた。

「お前は一体何者なんだ⁉」

「君達の前の勇者の仲間の一人とでも言っておこう。」

コタロー達はその言葉に驚く。

「そっ、それはどういう事だ!」

「私達も君達と同じところから来た。」

「だから何を言っているんだよ!」

コタローは魔物の言葉に怖くなり声を荒げた。

「勇者が死ぬと新しい勇者が誕生するというのがこの世界の仕組みなんだよ。つまり君達の前にも勇者がいたと言う事だ。」

「そうだったのか…。でも何で魔物になったんだ?」

「私は一度死んだ。だが魔王には死んだ人間を魔物にして蘇らせる力があったんだよ。」

「えっ⁉」

コタローは驚いた。

「じゃあ、魔王にまけて死んでしまったら俺達も魔物にされちまうのかよ!」

シートはその言葉にいきどおりを隠せない。

「あぁ、残念だがな。」

魔物はそう言いシートの事をじっと見つめていた。


ハルオはわからない事について質問する事にした。

「聞きたい事があるんだけどさ、魔王ってどのくらい強いの?」

「どのくらい…か。」

魔物は少し黙っていた。

「我々死四王が束になってかかっても勝てない相手とでも言っておこう。」

「お前も死四王なのか⁉」

「あぁ、そうだ。ちなみに死四王とはその名の通り一度死にまた新たに蘇った者達の事を言う。もう死四王は私しかいないがな…。」

「えっ、じゃあ俺は同じところから来た人間を殺してしまっていたんだ…。」

コタローはうつむく。

「そう悲観する事はないさ。私達は罪を犯した。どんな事をしても償えない程に大きな…ね。」

「そんな事を言われても…。」

コタローの心は申し訳ない気持ちで一杯になる。

「君達にはまだ未来がある。してきた事を罪だと思うのならば、これから償っていけばいいさ。」

「うん…。」

コタローはか細い声で頷いた。

「さぁ、今日はもう遅い。ここでゆっくり休んでいきなさい。」

彼らは言われるがまま眠りについた。



夜のこと

どこからか聞こえてくる話し声に目が覚めた。

「なんだろう…?」   

コタローは近くによる。


「ユーは逆らうつもりなんだねぇ?」

「私は従ったつもりはない。」

「なんだとッ!その姿が証明しているではないか!」

「残念だったね、この世界をよく知らなかった。それこそが間違いだったのだよ。」

「ミィにも知らないことを知っていると言うのか?」

「未来のため、何かは言わないがな。」

すると、コタローは急激な睡魔に襲われ目を閉じる。

コタローが起きると皆が出発する準備万端で彼の方を見ながら待っていた。

「遅かったじゃないか。」

彼は昨日の事を疑問に思いながらも立ち上がった。

「あぁ、ごめん。もう行くの?」

「うん。早く魔王を倒しに行かないとな。それと、昨日の魔物はいなくなっていたよ。」

「まさか、裏切ったから?」

「さぁ、分からない。それを確かめるためにも出発しないとな。」

9

「なぜ去ったのか?」

「それは…」


「しかし、これからどうする?とりあえずまっすぐ進んでいるだけだけど。」

1章 ゲーム開幕
2章 魔王の城へ
3章 魔王の魔の手から村を救え!
4章 終幕へ

メモ───────────────
暗闇に一人おもいでにふける。



村の男があるものをとってくるようにいわれる。


男はそれをとって村に戻る。

彼らは村人たちのかえりを喜ぶかと思っていたが村人達は自分達をみて悲鳴をあげるものや、武器をもっておびえているものがいた。

それをみた彼は悪いと思い

魔王を倒した勇者は新たな魔王になる

剣の言葉は文字通り死ぬまで永遠に手放せないと言う事。

四死王の最後の一人はいろいろな事を語る。

四死王は元は人間だった事、魔王に魔物として蘇らせられたこと、その4人は勇者として戦っていたこと。

城に辿り着いた勇者達に魔王はとても嬉しそうだった。相手が強ければ強いほど魔王は強くなる。

元の世界へは死んでも戻らない。

刀の声は勇者にしか聞こえない(もと勇者含む。)

そして勇者=魔王と言う事が全てのこたえになる。

魔王は以前魔王だった者を駆使して勇者達の行く手を阻む。

魔王となった主人公は新しく勇者となったものをさっしょうしていく。

刀がラスボス(刀は多くの人間の感情苦痛を取り込んだ集合体)

コタローと勇者の持っていた刀が、がったいする。
刀「これから素晴らしいショーをご覧に入れます。」

「お前らはこの世界の神に反旗を翻した、それがどういうことなのか思い知らせてやろう!」

魔王と勇者(友)が協力して刀倒す。

刀「俺はこの世界の創造主のはず!なぜおれがやぶれるのだーー!!」

魔王は勇者を元の世界へと返し命を落とす。

「俺は人を殺しすぎた、だからこれは報いなんだよ。」
魔王は彼に自分のタイムカプセルの中の手紙を読んで欲しいと伝える。

勇者は昔埋めたタイムカプセルを掘り起こす。

魔王の手紙を読んだ勇者は涙を流す。そこには
「未来の僕へ  
今の僕じゃ恥ずかしくて言えないけれど未来の僕なら言えるよね。二人にこう伝えて欲しいんだ“友達になってくれてありがとう”と
過去の僕より」そう書いてあった。

一方その頃謎の男達が新しいゲームの準備をしていた。