ポジとネガ

絶望と希望に満ち溢れた世界

「この世界には多くの人が住んでいる。」

その物語のはじまりはこうでした。

2人の子供がそれを見て、話します。

「ネガ!とってもドキドキしない?」

女の子は胸をときめかせて、男の子にそう言いました。

「そんな事ないよ、ポジ。世界は暗くて、みんな闇の部分をみせないようにしてるだけ。」

男の子はそう言って、下を向きました。

「もぉー!ネガったら、いつも悪い方に考えてー!」

女の子は頬を膨らませます。

「この世界には確かに悪い人も沢山いるかもしれないけれど、その分いい人も沢山居ると思うの!」

そう言ってポジは窓の外を見ました。

目にはキラキラと輝く星ができて、とても外が明るく光っているように感じます。

するとネガは、「みんな必ず悪いところはあるんだから、希望を持つと後々絶望するぜ。

あと、朝は太陽が鬱陶しいから、カーテンしめてよ。」

と顔を隠しました。

「太陽はとっても綺麗だよ。眩しすぎて見れないけれど、宝石みたいに美しくてお月様と一緒に輝くアイドルなの!

私たちは希望がたくさんのこの世界にうまれたんだ…!」

そう言って、ポジはキラキラとしています。

一見、正反対の意見の2人でしたが、どちらも相手のことがとても大好きでした。


ところで、2人は、うまれた時から、親を知りません。ずっと動物たちとたくさん楽しく暮らしいたため、人とも触れ合ったことがありません。

お猿のコネサンスさんが書いたものを読んでいました。

森の動物達には、色々な親切をしてもらって、毎日楽しく暮らしていたのです。

猫のすみれは、よく料理を作ってご馳走を作って振舞ってくれます。

そして、うさぎのいちごは、色々な音楽をひいて私たちを癒してくれました。

色々な優しい動物たちに囲まれてとても幸せです。

けれども、ポジは、外の世界がとても気になっていました。色々な物語を読んだのです。

楽しいものから悲しいものまで。それがとても心をうちました。

2人で、外に行ってみたい…。そう思ったのです。

コネサンスにその思いを言いましたが、悪い人も多いからと反対されます。

しかし、森の長老、ナマケモノのしげに言ったら許可をもらったのでした。

私は嬉しくて仕方ありません。この世界には、一体どんなことが待っているのでしょうか?

───────

道中

私はみんなの居る森を抜けました。

「わぁー!森の外は、こんなに広がっているのね!」

ポジは目をキラキラさせて、走ります。

「ポジ、そんなに走ったら怪我するよ」

それに「大丈夫よ!」と言っていると、地面に足をひっかけて転んでしまいました。

「いたいっ!」

ネガは、「ほら、言った通りになった」と駆け寄ります。

そして、手を差し伸べました

「ありがとう!

ネガって、ネガティブなこと沢山言うけど、優しいところあるよね!」

そう言ってとても大きな笑顔を作ります。

「そんなことないよ、ところで怪我はないか?」

ネガは目を逸らしました。

「大丈夫だよ」

と言って、それにポジは笑顔で見ています。

すると、ネガが何かを発見しました。

「ポジ、あれ。」

「わぁっ!」

ポジはとてもニッコリとして、そちらをみます。

そこには、村がありました。

私のはじめて行く人のいる村。

そう思うと、ポジはとても嬉しくなってまた走りはじめました。

───────

ところで、出発前のことです。

ネガはモグラさんとお話していました。

彼らは森の安全を守る警備員です。

その中で特に仲のいい、だいちに頼み事をしたのです。

「どうかしたのかい?」

だいちは笑顔で聞きます。

「お願いがあって」

「なんでも言ってごらん」だいちはコクリと頷きます。

「これから森の外にでるんだ。ポジが心配だから、守ってくれないか?」

すると「いいよ!友達を守るためなら、僕はなんでも協力する!」と言って笑顔を絶やしませんでした。

「ありがとう。」ネガがそういうと、

「兄弟思いなんだね。」と。

「そ、そんなことない。」

ぷいと後ろを向いて続けました。

「あいつはそそっかしいから、ついていないと」

頬を赤くしてそういう彼に、だいちは更に笑顔になりました。

遠くからだいちが、そのようすを見ています。

「2人ともお互いのことが好きなんだな~」

そう言って笑うと、土の中に入っていきました。

────────

私はこれから新しい冒険の旅にでます。

これからどんなドキドキやワクワクが待っているのか、それが楽しみで仕方ありません。

そう思うと、ポジは、村の方へ向かって、1歩、また1歩と走って行きました

────────

ストーンヴィレッジ

「わぁ!ネガ、あれを見て!」

ポジがそう言うと、目の前には、屋根が一杯立ち並んでました。

「凄いな。皆、あんなところで、なんで住めるんだろう。」

ネガそう言うと、「ネガったら!

とても趣があって、ロマンチックじゃない。」と言いました

「どこが!」

ネガがそう言うと、その1つの家の中に住んでいた子供が、それに気付いて近付いてきます。

「ポジ!下がってて!」

ネガはポジを守るように、前に立ちました

「よそ者だ!」

子供はそう言って、下に落ちていた石を投げようとしてきます。

すると、お母さんらしき人がやってきてそれを止めました。

「すみません。私の子供が。」

そう言って、帰っていきます。

「ポジどう思う?」

「石を投げられずにすんで良かった!」

「そういうことじゃなくて…」

ネガはそう言いかけて辞めました。

すると、お母さんの方が、こちらに近付いてきたのです。

悪いことをしてしまったので、2人を家でもてなしたいという。

家は埋まっていて、中からみると、木が沢山あたりを囲んでいました。

そして、中央には、囲炉裏や、石の器があったり、石でできた鋭いものが置いてありました。

「わぁ!ネガ、すごいよ!

見たことないものが沢山ある!」

ネガは「そんなにはしゃぐなよ」と言いながら、あたりをキョロキョロと見回しています。

その様子にポジは「ネガ、どうしたの?」と言いました。

「なんでもない」

「そう、ならいいけどっ!」

ポジはそのまま、みんなの暮らしに目をキラキラさせて喜んでいます。

すると、「帰ってきた」という声が外から聞こえて、子供とお母さんは外に出ていきました。

そして「今日のご飯はなんだろう」

その声に、ポジは「わぁ!ご飯を召し上がれるのね!」と言います。

ネガは相変わらず、不安さが消えませんでした。

そして、外に出ると、大人の男の人達が居ました。

手には何かを持っています。

「なんだろう」ポジがそれをみると、グスりと泣き出してしまいました。

その様子に気付いたネガは、ポジを連れて、その村から出ていきました。

「やっぱり、外なんて来るべきじゃなかったんだ。」

ネガはそう言います。

ポジは泣きながら「悲しかった…。でも…みんな優しくて、とってもいい人たちだった…」

と言って肯定していました。

「なんでそんなに…。」

ネガはそう言って続けました。

「他のところに行ってもどうせ変わらないだろうから、もう帰ろうよ。」

すると、ポジは涙を拭いて、まだ他の場所にも行ってみると言います。

「俺は行かないからな」と言って、立ち止まります。

しかし、ポジは「わかった」と言って、そのまま歩いて行きました。

ネガは「もう…。仕方ないな」と頭を書いて、ポジの元へと駆け寄りました。

ポジは「どうしたの、ネガ?」と聞きます。

「しょうがないからついていく!」

ポジは「ネガは正直じゃないな~。」と言って笑ったのでした

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ニューヴィレッジ

「ほら、ネガ!新しい村が見えてきたよ!」

ポジは昨日までのことが嘘のように元気を取り戻していました。

「そんなに急いでも、村はどこかに行かないって」

ネガはそう言いながら、あたりを警戒しています。

「大丈夫だよー!きっと優しい人達の村だからっ、楽しみなの!」

そして、2人は、村に到着しました。

家は前のものと同じでしたが、いくつか違う部分がありました。

「あれはなんだろう?」

ポジがそう言うと、ネガもやってきます。

「あの中には何があるんだろうな。」

ネガもそう言いました。

しかし、「どうせよからぬものだろう」と続けます。

「大丈夫だよ!きっと、皆が幸せになるものがあるんだよ!」

ポジのその元気さにネガは顔を逸らしました。

すると、2人の近くに、大人の男の人がやってきます。

ネガはすぐにポジを後ろに守って手を確認しました。何も持っていないことを確認すると、ネガは少し安心しました。

「旅人さん村へようこそ。」

「何か困ったことがあったら言ってください。」

男はそう言いました。

ポジは「ありがとうございます!早速なんですけど!」と言って、さっきの倉庫のようなもののことを聞きます。

「あそこには、食料がありますよ。」

「へぇ~!そうなんですね!」

ポジはそう言ってとても目を輝かせています

しかし、その後、男は、食糧を旅人には振る舞えないことを言った。

ポジは「大丈夫ですよ!」と笑顔を絶やしません。

そして、ネガに言いました
「どうしよう、ネガっ!

あの倉庫の中、どうなっているのか気になるよ!」

すると、「どうせ見たら悲しむだけなんだから、見ない方がいい」と言いました。

「ネガはいつも悪い方に考えるんだから…。きっと、いいものが入ってるよ!」

2人でそう言っていると、ネズミさんが、倉庫の周りに集まってきました。

そして、倉庫の中に必死で登ろうとしています。

「わぁ!ネズミさんだっ!」

ポジはそう言って近づきます。

「ネズミさん、上に行きたいのね?」

ポジはそう言って、ネズミさんを持ち上げました。

そして、乗せようとした直後のことです。

「そんなことをしてはいけない」と、男の人がポジに怒ってきました

ネガはポジを守って、前に立ちます。

「大事な食糧をネズミにとられてしまう。」

それに怖くて、ポジは前の村と同じように泣きました。

ネガはポジを連れてその村からでました。

「やっぱり、今回も悪い村だったぞ。ネズミに食糧を分け与えないなんて。」

すると、ポジは「怒られたのは怖かったけれど大丈夫…。」と言って、ゴシゴシと目をこすります。

そして、赤くなった目で、笑顔をつくりました。

「もっと他の場所にも行ってみよう」

ネガは「仕方ないな」と言って、2人は、また新しい村へと向かったのでした

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偉い人

ポジとネガは都にやって来ました。

「わぁ!見てー、ネガ!あんなに大きな建物があるよー!」

ネガは「なんであんなもの作るんだろう」と言います。

「今度もとってもいい場所だよー!」

「ポジはもう少し人や、場所を疑うことをしろよ。」

「ネガこそ!

世界には幸せなことが沢山だよー!苦しい見方ばかりだと楽しくないよー!」

そう言っていると、誰かが私たちの方にやってきました。

「君たちは旅の人ですか?」

ポジはその人に近付いて「はい、そうですよ!」と満面の笑みで言います。

ネガはすぐにポジの前に立ちました。

「僕たちに何の用ですか?」

するとその人は「ここからすぐに離れた方がいい」と。

「この中には何があるんですか?」

すると、彼はここで行われている色々なことを教えてくれました。

ここをおさめているのは、1人の男で、その人はとても長い歴史を持つ家系の人だと言う。

用心棒が沢山居て、更に彼がここをどうするかの権限を持っている。

他の都から、自分の都へ持ち帰ったり、そこで行われていることを参考にしたりもした。

そうして、この都は、多くの繁栄をみせたらしい。

だからこそ、彼になりたいというものが沢山いる。

側近として近付いて、彼に深く干渉し、表面上は彼でありながら、立場は側近が逆転してしまう場合もある。

位を自らの子供に譲りながら、政治は譲った自分がとろうと考えている人だっている。

用心棒的立ち位置でありながら、身分を忘れ、いい位につこうと思っている人だっているんだ。

そして、遊びに於いても、それは、いい位につくための手段になってしまう。

歌や、学問、芸術などさまざまなもので、どれだけ彼に自分をアピールできるか、そしていい印象をつけることができるか。

そうすることによって、いずれはとても大きなものに…と、野望をいだいているのである。

──────

「つまり、あなたは何が言いたいんですか?」

ネガはそう言いました。

「君たちも、ポジション争いの道具として使われてしまうかもしれない。

だからこそ、ここではないどこか遠くへと離れて欲しいんだ。」

「何故、それを、僕たちに?」

「飢饉や、災害、病気などが、人の心すらも蝕んでいる。もしかしたら、それこそが、このゲームの始まりになってしまったのかもしれない。

そして、ここに居ては、私たち身にも覆い包まれて、壊れてしまう。」

「私は一緒に行こうと言って、ついてくるものが居なかった。もし、助けられる者が居るのならば、助けたいと思っている」

「君たちを守りたいんだ。」

ネガは何も言えなくなる。

そして、そのままポジを連れて、その都から離れた。

彼の言うことを信じるのはしゃくだけど、ポジを守って、これをきっかけとして、もう他の場所には行かない。

そう思った。

「ネガ、どこへ行くの?」

ポジは少し震えた声でそう言う。

「もう帰るんだよ。」

すると、ポジは「まだ…。私の気が済むまで色んな場所に行きたい…。」と言いました。

どうして…ネガはその思いをかみころして、「分かった」と言いました。

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争いの国

ポジとネガはお城がある町にやってきました。

「わぁ。見て、ネガ!

お城があるよー!」

「そうだな。」

ネガは相変わらずテンション低く言いました。

「どうしたの、ネガ…?

ネガの明るいところがみたいな…」

少し悲しそうに言います。

「俺はいつもこのくらいのテンションだよ」

そう言って、ポジの顔を見ると、「行こう。」と手を引っ張って町に入っていきました。

城の前では、多くの人が集まっています。

みんな何か武器を持っていました。

ネガはポジの前に立って、守ります。

すると、町から人がやってきました。

ポジは「こんにちは!」と近付いていきます。

それにネガは慌てて「ポジ!」と叫びます。

「ネガもおいでよ~!」と笑顔でした。

「あんまり俺から離れるなよ!」とポジの方へ向かいます。

町の人は優しく、このお城のことを話してくれました。

今度、遠出して、この町は更に豊かになるかもしれないそうなのです。

「わぁ!それはとっても嬉しいね」

「どうせそんなことないよ。」ネガは暗い表情で言った

「ネガもっとポジティブシンキング!」

「きっと動物とかを虐めるんだよ。」

すると、ポジは口を閉じます。

「いいや、これから行く場所では、稲をとりにいくらしいですよ。」

町の人はそう言いました。

ポジは安心して「そうなんですね!」と笑います。

しかし、ネガは暗い表情のままです。

そうしていると、さっきの武器を持った人達が、ポジとネガに気付いて近付いてきました。

「何か怪しい格好しているな。」

武器をポジに向けました。

手を握ってその場から逃げます

すると「王様からのスパイかもしれない。」

「もし、そうなれば、いつ襲ってきてもおかしくない」

「捕まえるんだ!」と武器を持った人達が、2人を追いかけてきました。

ポジは走りながら顔を腕で覆って、泣いていました。

ネガは、「ポジ、前を向いて走らないと転ぶぞ」と言います。

でも、ポジはそれどころではなく、とても悲しみにあふれていました。

すると、地面に足をひっかけて、ポジは転んでしまいます。

「ポジ!」ネガがそう振り返ると、ポジの後ろにはもう武器を持った人達が迫ってきていました。

ネガは走って、ポジの元に駆け寄ります。

すると、ポジの居た地面から穴が開いて、ポジはいなくなってしまいました。

そして、少しすると、今度はネガの地面に穴があきます。

─────
ネガが目を覚ますとそこにはモグラが居ました。

「2人とも、大丈夫だったかい?」

ネガは傍に寝ていたポジをみると安心して言います。

「無事だよ。」

そして、「ありがとう」と小さな声で言いました

───────

2つの王国

それから、ポジは目を覚ましました。

ネガはだいちのことを隠して、ポジとともにまた旅に出ることになりました。

歩いていると、大きな城が2つ見えてきます。

「今度はいい場所だったらいいな。」

ネガがそう言うとポジは「もしかしたら、怖い場所かも!?」と言いました。

「逆になってどうするんだよ。」

すると、ポジはえへへと言いながら笑います。

「お前のいいところはただ明るいところなんだから。俺は何度も…」

そう言いかけ顔を隠すと、ポジは「何度も?」とネガの顔を笑顔でのぞきこみました。

「ないしょ」

ネガはそう言って、前にある2つの大きな王国を指さす。

「あの場所へ行こう。」

「うん!そうしよー!」

──────

到着したのは、北王国という名前の国でした。

そこに住む人にポジは笑顔で話しかけます

「ここはどんな場所ですか?」

目をとてもキラキラと輝かせています。

「争いばっかりで嫌になる所だよ。」

ネガは「やっぱりそうだろう。」と暗い表情で言いました。

「きっと大丈夫だよー!お話聞いてみよ!」とポジは笑います

─────

ここに至る前は、1人の成り上がりの王様がおさめていた。

けれど、前まで長くその座をつとめていた元王様の一族が、それを打開した。

2人の王様でつとめることにしようと。

だけど、元王様の一族の中にも、2人王様が居るのはダメだという人が現れる。

それが現在に至る。

北王国、それは2人の王様がつとめる国。

そして、北王国のやり方を納得できなかった王の一族が作った国、それがもう1つの国、南王国なのです。

──────

「そうなんだ…」ポジはそう言って続ける。

「仲良くなって欲しいね…」

そこに住む人は「そうですね。」と言って、2人の元から去っていった。

それからポジとネガが帰る時に、2つの王国の王様が話し合ってるのが見えた。

2人はその様子をそっと見守る。

すると、2人は仲直りすることを言っていた。

ポジは「良かったね!」と笑います。

しかし、ネガは「どうせ、また仲悪くなるよ」と。

「そんなに悪く見なくて大丈夫だよー!!きっと、未来は明るくなるからっ!」

ネガは安心したように笑うと「そんなことない。」と言いました。

「もー!ネガったら!」

───────

傷付いた人達

それは、ポジとネガが次の村に向かう途中のことでした。

怪我をした人達がそこら中に倒れていたのです。

ポジは「大丈夫ですか?」と言って、その人達にかけよる。

────

彼らの話では、隣村が攻めて来たのでむかえうとうとしたら、お互いに疲弊してしまったらしい。

中には、その隣村の人も居た。

そして、その原因はなんなのかと聞きました。

すると、災害などで食料が無くなってしまい、住む村がボロボロになったのだと言います。

なので、他の村から食料を貰わないといけませんでした。

でも、普通に言っても、わけてくれるとは思えず、戦いに発展してしまったというのです。

ネガは「ポジ、あんまり関わらない方がいい」と言います。

すると、ポジは「大丈夫だよー!みんな仲良くなれると思う!」とニッコリ笑いました

そうして、ポジはみんなの前に立ちます。

他の村の人たちが、攻めてきた理由について話しました。

でも、話を聞こうとはしません。

見ていられず、ネガはポジのお話を支えました。

他の村の人達の辛い決心と、それを加速させる、家族のために食糧を手に入れなければと言う思い。

それがこうなってしまった結果なのだと。

それでもダメだったので、今後のことを話しました。

この先、この他の村のように、災害がおきるかもしれない。

そんな時にこの時に、食糧をあげてれば、もしかしたら、助けてくれるかもしれない。

と言いました。

すると、みんなは考えはじめました。

ポジも「ネガありがとう」と言います。

そして、「みんな仲良くすれば、いいと思うのっ!本当に困った時、支え合えるそんな仲になれたら素敵!」と。

とても目を輝かせています。

───────

ポジはとても元気そうにスキップをして言います。

「ネガっ!ありがとう!」

「ポジこそ…。」と小さく呟くと、先へといそぎました。

「今回も悪い場所だったな~」と愚痴を言いながら、彼の表情は少し嬉しそうでした。

「ねっ!とてもいい村だったよ~!」

そう言いネガを追いかけます

────────

平和な国

2人は、またお城がある国にやってきました。

今度は平和的で、特に争い事がなさそうでした。

でも、ネガは「気をつけろよ」と慎重です。

「今回もきっといい場所だからっ!」

ポジはそう言ってニコッと笑います。

すると、人が賑わってる場所がありました。

なんでも、町中では、色々な見世物が立ち並び、どこも賑わってるそうなのです。

ポジはとてもそれに喜びました。

「ネガ!あの場所に行ってみたい!」

とても嬉しそうにそう言います。

「どうせつまらないよ。」

ネガはそう愚痴を言いながら、ポジの後をついていきました。

───────

「ネガっ!楽しかったね!」

ポジはうきうきしながら、でてきます。

「特に動物さんと暮らす男の子と女の子のお話!」

すると、ネガは入る前のテンションと同じで「在り来りのストーリーでつまらなかったよ」と言います。

そうしていると、前から、町の人がやってきました。

ポジとネガを見ると、話しかけてきます。

「この国の人じゃないみたいだね。」

「そうですよ!」ネガは元気に飛び出して行きました。

ネガは「ポジ!」と言って追いかけます。

彼はこの国のことについて話しました

今に至るまで、争いが多かった。1人の王様が今の平和な国を作ったと。

だけど、まだ完全には、平和は訪れてなく、身分の差、小さく隠れた争い事がたびたび起こっている。

そう言ったその人の顔は、少しせつなくどこか明るかった。

「でも、昔より良くなっているのは事実なんだ。だからこそ、今、現実を喜ぶことが必要な事だと思う。」

その人はそう言って、帰っていきます。

ポジとネガは、それから少し滞在して、また新しい場所へと向かうことにしました。

その道中、2人は話していました。

「今回の場所も良かったねっ、ネガ!」

「そんなことなかったけどな。」

ネガはそう言って、「はやく他の場所にも行って、帰ろうぜ。」と、早歩きで進みます。

その様子にポジは「ネガっ」と言って追いかけていきました。

次はどんな場所に行けるのか、私は楽しみで仕方ありません。

大きな争い

次の国はすぐに見えてきました。

どこか寂しく、人の表情も下向きです。

ネガは「やっぱりいい場所じゃなかった」と暗い顔をしています。

するとポジは「きっと大丈夫。」と笑いました。

ネガはそれになんだか落ち着くようでした。

そこに住んでる人に話を聞いてみると、他国との争いが激しくなったというのです。

ここは1人の王様によって統治されていましたが、歴史的には、他にも長く続く王様が居ました。

皆で、その人から昔からの王様に変えさせたのですが、他国との争いが前からあったので、強くなろうとします。

しかし、それが、いつ戦争が起こるか分からない不安に繋がりました。

もうどうしても無意味で、絶望するしかない。みんなそう言って、悲しく今を生きているのです。

ネガもそれを聞いて、「もうダメだ」ととても暗い表情です。

ポジは「大丈夫!」とみんなの真ん中に立って言いました。

すると、「そんなわけない…」と呟く人達も居て、変わらず、みんな悲しくなっています。

「きっと、平和になって、みんな幸せになれるよ!」

ポジはそう言って、とても元気に笑顔で言いました。

それに、ネガはポジにみとれます。

すると、中から沢山の非難轟々、石すらも投げられました。

ネガは「そんなに無理すんなよ」とポジの手をひいてそこから逃げます。

そこから離れて、ポジは涙を流しながら、ネガに手をひかれて歩きました。

「ポジって、いつもポジティブだよな。」

「うん。」

ポジはこくっと頷きます。

その寂しそうな顔を見て「次で最後だからな…。」ネガはそう言いました。

すると、ポジは顔を上げて、涙を払って嬉しそうにして言います。

「ありがとう!」

それを見て、ネガは強く思いました。

いつもポジに支えられてる。もし、居なかったら…そう考えるだけで、俺はすぐにダメになっていただろう。

ポジはとても元気に笑って、走っていきます。

「ネガ、次の国が見えてきたよー!」

ポジの様子に、ネガの頬に笑顔が浮かびました

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2人の決断

この国はとても多くの建物が並んでいました。

それに対して2人は話していると、今回も、誰かがお話を聞かせてくれました。

この国は、前に大きな戦争があり、ボロボロになってた敗戦国。

しかし、この通り、頑張って建て直していった。

今でも、悪い部分は変わらず残っている。

争いだって、傷付けあったりもしてるんだ。

だが、昔の苦しみからは、少しずつ変わっている。

どれだけ悪い部分が見えたとしても、僕はこれをとても喜ぼうと思っている。

なぜなら、いつも悪く言ってるのは、外部の人だと思っているから。

まだ終わっていないんだよ。

だからこそ、未来には希望が広がっている。

僕はそう信じているよ。

──────

ポジとネガはその国にほとんどいることは無く、住んでた場所に帰ることにした。

「結局、いいところなかったな。」

ネガはそう言うと、ポジの方を見ます。

「私はいいところが沢山あったと思うよ!」

ネガは「そうかな~」と。

ネガは思いました。どの場所も、悪いところ沢山で、嫌な場所だっけど、やっぱり1番嫌なのは…

ポジは思います。
どこも、とてもいいところがあって楽しくて、いい場所。
優劣はつけられないけど、私が1番好きなのは…

動物の皆が居るあの場所!

ポジはスキップしてネガに言います。

「帰ろう!」

──────