美しい夕方
今日は前に自分の家のかわりとして作った宿に泊まる。
仮だったため、粗末なものとなっている。ススキに似た植物を屋根に。
雑なものとなったが、なんとか完成した。辺りを見回すと、もう日が暮れている。
今日は自然の美しいものが見れるかもしれない。
私はあの美しい夕焼けを見ることにした。
家の近くには、田んぼがあって稲が一面に広がる。
そこからさやさやと音がたって、私の葦葺きの宿に、気持ちのいい秋風が吹き渡ってくる。
金色に輝く稲がとても綺麗だ。
この時に感じるあの沈む太陽はなんと美しいことだろうか。
朝や夜の世界は青く、暗い。しかし、この時に顔を出す世界は真っ赤に染めてしまう。
それは、短い時間に過ぎないが、何かを与えてくれる。
とても素晴らしい今日の夕方よ
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波とあの人
私は夏になるとよく海岸に行って、あの波をみる。
評判が良くて、よくたち騒ぐあの波。
あれを見ると、あの人のことと重ねてしまう。
私には友達が居る。
とても大切な。しかし、自信のない私は、いつ他の人と仲良くなって、私の前から居なくなってしまうかを気にして、心が定まらない。
仲良くしているのが苦しくて、あなたがそばから居なくなって、涙で袖をぬらすようになるのはどうしてもさけたいことです。
だからこそ、なるべく、心にかけすぎないよう、求めすぎないよう関わっていきたい…そう考えています。
あなたと長く友達で、できるだけ長くあなたのお傍に居たいですから…。
私の心の弱さ、それがあなたを求めすぎ、あなたを信じることができないこれを作ったのです。
もし、できることならば、ただ、私の求める人達で仲良く笑顔で溢れる…そんな空間が作りたい…。
外部の何かで傷つくようなことはなく、楽しくて、優しくて、誰もが安心して過ごせる、そんな場所を…。
私は平等に心にかけることをして、この心の依存を捨てたいと思います。
みんなが笑顔になること、それこそが理想と…私は思います。
そうして、またあの夢を見ましょう…。
山の美しい桜
今日は春のある日。
家の窓からそっと外を眺めると、近くの山に美しい桜が咲いている。
毎年この日は山頂に咲くあの花を見ながら食事をする。
今日も美しく咲いて、ただ見とれてしまっていた。
この時は特別で、幸せな時間だなあ。
わたしはそう思うと、人里近くにあった霞が段々と近付いてきてることに気が付いた。
この日は、たまに、あの霞によって桜が見えなくなってしまう。
どうか、霞よ。かからないでくれ。
あれを見ると、あの日のことを思い出す。
美しいものが、段々と陰りによってその姿をにごらせてしまう。
それだけは許せない。その陰を消し去ってしまいたい。
私はそう思って必死に陰を払おうとした。しかし、段々とその美しさはどこかへなくなってしまった。
まるで、春の美しい桜の花が散ってしまうように。
どうか、たたないで欲しい…。
私がそう願うと、ふと心の中に浮かんだ。
自分は今まで、今の美しさを忘れてしまっていた。
霞がかかっていない今。それは喜ぶべきもので、なくなることをおびえるよりも、今、美しくあるそれを見つめる。
それを忘れてしまっていたのだ。
今、気にするべきは、なくなってしまうことではなく、今、そこに存在していることなのだ。
私はそれをそっと考えて、また、あの美しい桜にみとれていた。
そして「美しい…」そうこぼした──────────
それでいい
昔はあの人は、あんなに傍に居た。
けれども、時が経つにつれ、段々と離れていってしまった。
私が何かで誘おうとも、あの人はつれない表情で、来ようとはしない。
どうしても一緒に居たい、その思いから、宗教に頼り、その神に祈った。
しかし、そばの山に吹き降ろす風のように、激しく地面へ吹き付ける。
私はあの人を求めるあまり、考えてあげられなかったのです。
求め、求めるあまり、自分のことばかりが頭の中で一杯になって、あの人のことは何も思わなかった。
辛く、苦しい時に、手を差し伸べるではなく、ないかのように振舞ったのです。
なんでそんなことを思ったのか、考えることもせず、まるで、相手が悪いかのように振る舞う。
彼女はますます辛くなったかのように、あの頃が無かったような元気を失ったように見えました。
でも、私はそんなことは求めていなかった。お互いが楽しく、幸せであればいい。
そう思っていたはずだった。まるで、あの山下ろしの風のように、激しく吹き付けた。
今ではもう後悔することしかできない。
しかし、私はもう一度祈る。
今度は、なびくのではなく、自分の心の弱さ、それを脱却し、ただ、相手の喜びを考えたい。
相手が本当に喜ぶことを見つけ、それを実行する。
戻ってこなくてもいい。ただ、出会えない今、あなたが幸せであることを祈ります。
もし、また出会えたのなら、その時、私はあなたのことを思い、そして、あなたが求めることをしたい…。
ただ、これだけは言わせて欲しい
今までのこと、ありがとう─────
あなたとの約束
あなたは覚えていますか?
あの約束を。
私はずっとこの薄れゆく思いの中、その約束を忘れず、心に置き続けていました。
それは、草においた露のようにはかないものにすぎないかもしれない。
けれども、私にとってはとても大きい希望の光。それを頼りに、片隅に置き続けていました。
こうして、命長らえているのは、もしかしたら、あなたの言葉かもしれません。
いいえ、多くの人のおかげです。けれども、あなたの希望の言葉、約束も私の心の中では、かけがえのない、私を支えたもの。
あなたが有言実行をする方ならば、まだ約束は実行されてなくておかしくはありません。
しかし、あの約束が実現されないのでは…と不安で、今年の秋が過ぎていくと思うと…私は寂しくて仕方ないのです。
もう一度会いたい。そう思えども、あなたは頑張っているのでしょう?
そうであるならば、私は、お約束が実現されないこと、それを嘆くことなく、私もあなたとともに、今を頑張ろうと思います。
近くには大切な人がいる。確かに、あなたも大切です。しかし、それによって、周りをおざなりにしてはいけない。
あなたが、囲まれているのが好きとおっしゃったように。
私はただ、また進んでいこうと思います
約束の時まで─────
広がる海と空
とても綺麗な朝、1面は、ポツポツと雲があるが、その中に青さが顔を見せている。
なんといい景色だろうか。
こんな日は、舟で出かけたい。
私はそう思うと、1そうの舟を取り出して、こいで行った。
このどこまでも続きそうな大海原、私は風に吹かれながら、とてもテンションがあがる。
この先に何があるのか、そんな冒険心すらもあった。何も考えず、ただ、この舟とともにどこへ到着するのか…。
そうして、私は周りを見渡した。すると、いつの間にか、岸が見えなくなった。
そんなに来てしまったか…。
そうして、そのままキョロキョロと当たりを見渡していると、空の青さと、海の青さが重なった。
もう、世界はこの青さで埋め尽くされているのか。
そう思うも、なんだか、それがとても美しくて仕方が無くなった。
ただ、歩いているだけでは得られない世界、それが今、この私の目の前にある。
それがとても貴重で、胸を高鳴らせるものだと思った。
すると、小さな波がやってくる。
それはまるで、大空に浮かぶ雲のようだった
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鳥の声
この時期になると、千鳥がやってくる。
それはとても悲しい声で鳴いて、なんだか、私もそれにつられ悲しい気持ちになる。
集団で渡ってくるはずが、その声によって、どれだけ多くの人と囲まれていようと、寂しさを感じさせる、分離した孤独であることを千鳥は私に教える。
1人である時はとても強く感じるが、人と居れば、感じない。
そうも思っていたが、今の苦しい気持ちを分かり合えない、別々の分離した人間であること、それを教えた。
この関所に番人として、長い間、暮らしていることで、千鳥によって多くのことを教わった。
時には、晩になくものだから、そのもの悲しい鳴き声で、何度目を覚ましたことだろうか。
もっと寝ていたいと思いつつも、私はそうして、千鳥の鳴き声から何かを学んでいた。
だが、寂しい時も、そっと鳴き声を出して、ここに居る。一人じゃないと励ます声にも聞こえたことがあった。
千鳥は鳴く。私はそれを喜びと思っている───────
雲の隙間の光
今日も、辺りは真っ暗になり、夜がやってきた。
今は秋のある日。
とても長い夜に、気持ちのいい風が吹いてくる。
そうして、見上げると、暗い夜の空には、雲が1面にかかっていた。
その雲に、秋の日に吹くこの夜の気持ちのいい風があたって、たなびいているように見えた。
そうして、見ていると、その雲の切れ目から、明るい光が輝いている。
それは、月の光だった。その雲の隙間から、体を隠してしまっている、月も、全てを隠しきることはなく、その美しい光から、雲すらも、透過させ、明るくこの夜空を彩る。
この秋の風景もまた、とても美しいものだ。
私は深く感じいって思った。
今日の夜も、とてもいいものである。と。
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私のおもい
あの人はずっと私のことを思っていてくれるだろうか…?
私はふと考えた。あの人はとても優しく、気遣いができて、とても理想の人間像の方。
私とは釣り合いがとれないのは分かっている。しかし、私はそれでも、あの人と居たい。
遠く離れて、誰かに傷付けられたり、嫌なものに変わってしまうよりかは、私がそばにいて、必死に、より良い方向へと抗う方がいい。
だからこそ、私は、友達でいたい。
あなたの心は分かりません。
しかし、私はあなたに会って、すぐに別れたその後の私の心は、起きた時に、乱れている髪のように、強いおもいをはせて、千々に乱れているのです。
あの人と関わっている瞬間、ただの友達なのに、それが私にとって、とても素晴らしい時間で、過ごしているだけで、笑顔になれて、考えるだけでも幸せな時間になるのです。
時間や、周りを忘れ、あの人のことばかり考える。
でも、それが、私の大切な時間。なくしたくないもの
ありがとう…
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