<h3>援助</h3>
いいことの後には悪いことがあり、悪いことの後にはいいことがある。
僕はそう聞いたことがあった。
だけど…
最近は悪いこと続きだ。
大きな目で見れば、留学したこと。
それは僕にとって幸せな時間だった。
だが…。
創作にある、四面楚歌という言葉。それはこの時に使うのだろう。
どうやっても、今の状態から抜け出すことや、いいことがあるなんて思えない。
この創作をしてる時間は、とても幸せだと言えるが、いつ奪われてしまうかも分からない。
そんな不安が、いつも自分をつきまとうのだ。
だが、段々と、僕はみんなと馴染んでいった。
創造性を重視している僕は、なにかしようと思って動ける程、行動力はない。
ただ、黙ってることしかできないのだ。
そんな人間を、人は問題視しないだろう。
友達は言った。
「大人しいじゃん。心入れ替えたんだな。」
見直したように言った彼の言葉が、全く嬉しくなかった。
「勉強頑張ろうね。」
「うん。」
ある日から、家族ではなくなる。
その理由が、今の時代に反しているから…。
もし、ぞくしていれば、社会的な徹底排除にあう。
もう居ないあの人は、僕の恩人であった。創作を知るきっかけをくれる。
世界を色々にまわって、それをメモ帳かきとめる。
創作を色々持ってる。それらを優しく教えてくれたし、残してくれた。
もうどちらもなくしたり、処分されてしまいほとんど残っていないが、心の中に残ってる。
そのひとつにこれがあった。
創作をする時、最初はあまり決めすぎず、考える余地を残しておいて欲しい。
君が創作を楽しくできること、願っているよ。
あの人は歳をとっても純粋だったと思う。
だからこそ、色々なことを知れたし、楽しく生きれていたんだと思う。
恩人はいつも笑って言ってた。
「人生は楽しい。」
本当に創作をなくしていいのか…。
僕は創作がダメだという考え方を変えて欲しいんじゃない。
ただ、和解したいんだ…。
創作は悪いことばっかりじゃないって…。
だけど、行動は相変わらずできない。
そうして考えてるうちに、1日の授業は終わっていた。
いつも通り…。
僕は限られた時間を、創作で楽しく…。
帰る前、トモさんが僕の前にやってきた。
「良ければ、シソウの家で…話したいことがあるんだ。2人きりでね。」
「なんだろう?」
「今、ここでは言えない。じゃあね。」
そう言い、走って行ってしまう。
僕はそのまま家に帰った。
特になにもすることはなかったし、創作もできそうにない。
彼女が来るみたいだから。
思えば、僕は、初終島に行ったことで、大きく変わった。
変わった考えの人との触れ合い、自分への肯定感。
色々なものが自分の中で得られた気がしたんだ。
変化は帰ってからも顕著にあった。昔だったら、背負わせたくないと思ってたけど…。
今は、創作のために動こうとしてる。
それがいいのか、悪いのかはともかく、自分の中の何かが変わったんだろう。
それから程なくして、トモさんが来た。
「シソウ、久しぶり…。」
「何の用?」
「実はね、シソウと創作がしたいなって…。」
「どういうこと?」
「前はいきなりで、内容もびっくりしたから断っちゃったけど…。私も思うところがあるんだ。」
「そうだったんだ。」
「うん。良ければ、たまにシソウの家で初終島に居た時みたいに…。
お話したいなって…」
「本当にいいの?」
「うん。みんなどこか暗いし、自由に考えられないのって寂しいから。」
「ありがとう。」
僕は思った。まだ、捨てたものじゃない。希望はあるんだ。
「そういえばね。」
トモさんはそう言って、持っていたバッグの中から1冊のノートを取り出す。
「それは?」
「すすむさんから貰った絵本。」
「ノートじゃない?」
「ううん。ノートだけど、この中には、絵本の内容、そして考察が書いてあるの。」
僕は国に戻る前のことを思い出していた。
「トモさん。この絵本、貰ったのは嬉しいけど、国には持って帰れないね。」
「そうだね…。」
「誰かにあげようと思うんだ。」
僕はそういい、近くに住んでた子供にあげる。
今の僕には、持って帰れないし、必要ないかもしれない。
本当に必要なのは、これからのことに色々な希望を持った小さな子供に…。
そう思っていた。
トモさんは言う。
「これね、すすむさんの先輩が絵本と一緒に渡したんだって。」
「私、シソウがすすむさんの絵本を渡したことを言ったんだ。その理由もね。」
僕は頷いた。
「そしたら、残しておこうと思ったんだけど、これを渡すって言って。」
「すすむさんの先輩との繋がりの、大切なものって。」
僕は「ありがとう…。」と言った。
そして、そのノートをひらく。
一度も見たことがないはずだった。
だけど、どこか…心の中に、懐かしいような記憶がある。
後半のページにいくと、パラパラとめくっていった。
この絵本の物語に対して、強い思いがある。
一つ一つ、考えてるこの持ち主の思いが伝わるようだった。
そして、最後に、こう書かれていた。
多分、最後にうさぎが空を見上げた時、美しい世界がみえたっていうのは…。
きっと、そばには美しい世界がいつも広がってるって伝えようとしてるんだと僕は思うんだ。
だから、希望を…
僕はそれ以上は読まなかった。
トモさんに感謝した。
「これから、一緒に、色々なことを考えよう。理想の世界を創造しようよ。」
「うんっ!」
トモさんは笑顔で頷く。
悪いことの後には、いいことがある。
それはあながち間違いじゃないのかもしれない。
まだ、希望を失うにははやかったのかもしれない。
楽しい瞬間っていうのは、まだまだこれから沢山ある
────────
<h3>あなたの気持ち</h3>
2年生の廊下。
そこで、1人の男の子が考え事をしていた。
「できくん!」
誰かが呼ぶ声に、男の子は「なに?」とたずねる。
「ああ。ふらさんか。」
「うん、できくんの後ろ姿が見えたから!」
「そうなんだ。」
「うん!
ところで、最近変わったね!」
「そうかな?」
「うんうん!昨日も凄かったし!」
「昨日はそんな気分だったんだよ。」
「私はとてもいい考えだと思ったよ!大切なひとっ!」
「同じ思想…?」
「ううん。私は純粋に人のいいところをいいって言いたいんだ!」
「なるほど。」
「ふふふっ!」ふらは笑顔でできを見つめる。
「それより、俺は勝たないといけない。」
「お姉さんのこと?よく分からないけど…。」
「そうかもね。
お姉ちゃんは、最近元気だよ。」
「わぁ!それは良かった。」
そして、ボソッと言う。「昨日は表情が曇ってたけど。」
「なに?」
「なんでもない。」
「そう。」
「ところで、他の人、見てなかったんだけど、誰とやってたの?」
「みちか先輩とだよ!とっても優しくていい人!」
みちかはハンカチを取り出して咳をした。
「みちかちゃん大丈夫…?」
しずくが悲しそうな顔で見つめる。
「うん、大丈夫だよ!この時期にくしゃみなんて…花粉症になったのかも。」
「じゃあ、この時期辛いよね…」
うるうるさせる。
「心配してくれてありがとう。私は大丈夫だよ。」
みちかはしずくの手を握った。
「みちかちゃん…!」
そのまま泣き出してしまった。
みちかはそっと彼女に寄り添う。
「しずくさんの方こそ、最近、何かあった?」
「実はあったの…悲しくて、ごめんなさいって気持ちで…。」
「良ければ、私に話して欲しいな。」
「うん。昨日、模擬試合があったでしょ…?」
「うん。あったね。」
「そこでれんかちゃんとしたの…。」
「1年生の入ってきた子だね。」
「そう…。でね…私、思想みたいなものがないから…。」
「うん…。」
「れんかちゃんに教えてあげられなかった…。」
「それは悲しいね…。」
しずくは頷く。
「でもね、しずくちゃんがないってことは1年生の子以外はみんな知ってるはずだよ!」
「だから、しずくちゃんだけが背負う問題じゃないと思うんだ…。あの時、助けてあげられなくてごめんね…。」
「ううん…。みちかちゃん…。でも、入ったばっかりの時、作ったんだ…。」
「友達を作りたいって言ってたね」
「うん…。覚えてたんだね。」
「もちろん。」
「でも、もうおとねちゃんや、みちかちゃんが居るから叶ってたんだよ…!
仲良くしてくれてありがとう。」
「こちらこそ、いつもありがとう。」
「そうだったんだ。まぁ、誰とやろうと関係ないけど。」
そして、そのまま歩いていく。
「行っちゃうの?」
「あぁ。もう話すことはないからな。」
「話してて思ったんだ!
前みたいに自分のこと、イケメンって言うことなくなったね。」
「あ、忘れてた。」
そして、作るように言った。
「俺はイケメンで人気者だから、1人ばっかりを相手にはできないんだ。悪いな。」
「ふふふ。できくんって変わってるね!」
呟いて続けた。
「じゃあね、また話そうね!」
彼の背中は遠くなっていく。
それから、ふらが歩いていると、みおが前からやってくる。
「わぁ!みおちゃん!」
「ふらちゃん、こんにちは!」
「こんにちは!どこへ行くの?」
「3年生の教室に行こうと思って。ふらちゃんは?」
「散歩みたいな!特に何もすることがないから~!」
そう言って、みおの前をふらふらする。
「良ければ一緒に行こう!」
「いいよー!」
それから2人はお話しながら向かった。
「みんな何組だっけ…?」
「確か、5人3年生だったよね。」
「うん、そうだよ。」
「だから、5人に1人は思想学部!どのクラスに行っても1人はきっと居るよ!」
そして、3組のクラスに入った。
すると、丁度、そこでは、3人の女の子が話し合ってる。
全員思想学部だった。
2人に気付いた女の子は「あーっ!みおちゃんとふらちゃん!!」と大きな声で言う。
「しずく先輩!」
「3年生の教室にどうしたの?」
「思想学部の皆さんとしたいことがあって!」
そして、キョロキョロとあたりをみる。
「あいだ先輩と、すすむ先輩はどこですか?」
「実はね、すすむくんは1組、あいだくんは2組でバラバラなんだ…。」
「そうだったんですね!」
「うん…。みんなが同じクラスだったら良かったんだけど…。」
「ですね…。」
「ところで、そのしたいことって何?気になる!」
「今は内緒です!」
みおは、ふふふっと笑った。
────────
<h3>未来の自分へ</h3>
未来の僕はどうしているのだろうか?
今の自分が、あなたにお願いするとすれば一つだけ。
ただ、それを言う前に、少し僕の話に付き合って欲しい。
僕はただの弱い人間だ。欲に弱く、禁止されても、たえることができない。
そして、批判される立場に置かれることも耐えられない。
それなのに、僕はよく、自分というものを理解せずに無理な要求をかける。
批判されるのが怖いはずなのに、相手に求めてしまう。
絶対にのんでくれないと分かっていながら、言ってしまうのだ。
自分の気持ちを、相手が完全に理解することはない。
そんなことは分かってる。ただ、その冷たさに、救済を求めようとする僕の弱さ。
ある日から、僕は大切なものを失ってしまった。
いつもそばにありすぎて、気付かなかった大切なもの。
未来の僕はその大切なものを大事にできていますか?
そうであれば、僕は嬉しい。
ただ、今は、どうしても離れなければいけない状況にある。
できることならば、長くずっと一緒にありたい…。
そう心から願ってる。しかし、状況がそれをさせない。
僕ののぞむそれとは逆に、離れていってしまうのだ。
この世界は、夢が叶うことは知ってる。
ただ、思い描くそれとは少し異なった叶い方をすることが日常茶飯事。
未来、どうなってるか…。
少し怖さがある。これから進むうえで、あなたは何をしているのか…。
これから少しずつ歩いていきたい…。
絶望だらけの今かと思ってた。
しかし、希望はそばにあったんだ。
もう失いかけていたと思ってたが…。
中々にきれないものもあるようだ。
それに、僕は助けられてる。出会いは大切にしていきたい。
僕にとっての大切なそれも、全くしていない訳では無い。
自由さを失いながら、今、書いているように制限をかけ進んでいる。
どこでもできなくなるもどかしさもある。
しかし、こうして、何かを考えている時、何かを思いついた時。それらは相変わらず、僕に幸せな気持ちを届けてくれる。
僕の大切なものは、いつもそばにあるって事を…。
少し長くなってしまったが、僕が、未来のあなたに、お願いしたいこと。
それを最後に話して終わりとしよう。
どんな時であっても、優しさを忘れないで欲しい。
人への優しさを忘れてしまえば、僕は物語を書いてる意味は無い。
人に優しさを与えられてないのなら、どんなに知識があろうと…どんなに注目されようと…
人、そして、自らを幸せにすることはできない。
これは、今、心の底から思ってる偏見だ。
優しさを…心の中に。
今、現在の願いである。
────────
思ったより、のめり込み過ぎてしまった。
思いつくままにノートに書いた。
「シソウ!」
「トモさん?」
少し前のことが思い出される。トモさんが、創作などを話し合うって言ってくれた。
「あの後、どうしたんだっけ…?」
「あの後…?」
「あぁ。そうだった。」
僕は自力で思い出す。
少し、未来の自分に書いておきたいことがあるって言ったんだ。
「なんだか分からないけど、ずっとシソウノートに向き合ったまま集中してて…」
「ごめん。」
「ううん。大丈夫。それだけ熱中できることがあるって素晴らしいと思うんだ。」
「ありがとう。」
「ところで、未来の自分へ…だっけ?」
「うん。どんなこと書いたの?」
「未来の自分が、こうあって欲しいなって一つだけ書いたんだ。」
「へぇ~。シソウ、一つだけなんだー。」
「一つだけって?」
「もっと沢山書くのかと…。創作好きって言ってたから、例えば、猫に翼をはやしたいとか…。」
「なるほど。確かにそれもいいけど、僕の夢は創作によってほとんど叶ってるから。」
「でも、現実にいる自分の内面では、優しくいようって思ってても、たまに忘れてしまうことがあるから。」
「未来の自分にきっかけを与えたいんだ」
トモさんはコクコク頷いて聞いていた。
「そういえば、トモさんは未来の自分に何か伝えたいことはあるの?」
「えっとね…」
右の頬に人差し指をあてる。
「私はみんなと仲良くしてたらいいなって思うよ!」
「確か、留学先で、似たようなこと言ってたね。」
「うん。私の考えは、仲良くすることだから…。私が一番好きなことだし!」
「みんなと仲良くするか…。いい考えだね。」
僕は思った。自分には、向かないかもしれないけど。
「ありがとう。シソウもみんなと仲良くできたらいいな」
「こちらこそありがとう。」
誰かと仲良くするのもいいかもしれない。
僕はそう思うのだった────────
<h3>過去物語3</h3>
それは小学校の時の、運動会の時でした。
「ちゃんと走れるかな…」
お父さんや、お母さん2人の前で、とても心配だった。
他の子達にも迷惑かけたくない…。
そんな時にお母さんは言った。
「大丈夫よ。」
そう言って、優しく手を握った。
「そうだ。自分のペースで、周りのことは、今は気にしなくていい。」
「うんっ!」
私は不安で泣きそうだったの。
だけど、その言葉に励まされた。
2人はとても仲良くて、私を見ててくれたんだ…。
高校生になって、また運動会が。
高校は体育祭だと思ってたけど、この学校は2つやるんだって。
もしかしたら、昔みたいに…
そう思ってたけど、2人は来なかった。
ただ、その時は寂しかったの…。
転んで、みんなにも迷惑かけちゃうし…。
ただ、家に帰って泣いてた。
悲しかったけど、私の近くには、寄り添ってくれる人達が居たんだ。
心からありがとうって思ったの。
それから少しして、私は驚きの事実を知った。
「みちかちゃん、相談があるんだど…。」
「何かな?」
「ある人に告白されたの…」
「良ければ私に話して欲しい」
「すすむくんがね…私のこと好きって…」
「そうだったんだね…」
「うん。ビックリしちゃって…。」
「そうだよね…。そばに居た人がそういう風に考えてたら…」
「うん…」
「あの…。しずくさんは、すすむさんのこと、どう思ってるの?」
「私…?
すすむくんのこと、悪い人じゃないって思うけど…。恋愛関係になるのは怖いな…」
「なるほどです。」
「だから、断ったんだ…。すすむくん私の事、どう思ってるんだろう…。」
「仕方ないかも…。すすむさんはどんな時でも元気だから、きっと大丈夫だと思うよ。」
「ありがとう。」
みちかさんの言う通り、すすむくんは元気だった。
私はほっとする。
みちかさんに相談して良かった…と思った。
だけど、どうして、すすむくんのこと分かったんだろう…?
そんな疑問が浮かんできた。
きっとみちかちゃんが優しいからかも。
それから1年が経った。
おとねちゃんは部活から居なくなっちゃったけど、みちかちゃんと一緒に居ます。
そして、大きなイベントがありました。
部活優勝!私はとっても嬉しかったのです。
私は出なかったけど、みちかちゃんも友達と仲直りしたみたいで嬉しい…
それからも部活は楽しく続いてます。
「みちかちゃん!」
「しずくちゃん!」
「秋だね」
「そうだねー!」
「この時期と言えば…文化祭!!楽しみ!」
「うん。楽しみ。」
「部活の人、多いからどんなことするんだろうね。」
「みんなの考えを聞く…とかだったりかな」
「それ、面白そう。」
「ありがとう。」
「ところで、最近、敬語少なくなったね。」
「うん!あゆみちゃんがね、友達なのに敬語は気になるって。」
「そうだったんだ!わたしはね、敬語も良かったけど、今も好きっ!」
「しずくちゃん、ありがとう!」
「ふふふっ!
やっぱり、あゆみちゃんと仲良くしてるの?」
「うん。みんなのおかげで!あの頃と変わらないみたい。あゆみちゃんね、とても元気に笑うんだ。」
嬉しそうに話す、みちかちゃんにとっても嬉しくてみとれた。
「友達と楽しく話してる時間、とっても幸せなんだ。
ちょっと話しすぎてごめんね。」
「ううん。とっても嬉しいから大丈夫!」
───────
文化祭の日になる。
他のクラスのみんなは食べ物のお店や、色々な出し物をひらいてる。
私たちのクラスは、色々なことをするの!
クラスの片隅には、水晶を持った人、その隣には、色々にものに完成した折り紙を1円で売る人。
留学生の2人は、自分の国について数人の前で語ってた。
他にも、作ったパズルなどを出すところなどあった。
そして、私たちは…
ぬいぐるみ屋をしてる!
なんでも、校長先生が、ぬいぐるみを沢山持ってるらしくて…。
メンバーはみんな同じ部活の人達。
あいだくんとすすむくんは話してたんだ。
「僕たちのだしもの、色々ありすぎるね。」
「人それぞれ、個性があるみたいで、とてもいいじゃないか。今日、この日を楽しもうよ!」
2人は仲良くしてたの。
人が仲良くしてるのみると自然と嬉しくなる。
部活のメンバーが、他のだしもののところへ行きたいってことで、みちかちゃんと私だけになった。
私も休みをとって沢山遊んだから、これからみんなに届けなきゃ!
最初に来たのは、おとねちゃんだった。
「2人とも、久しぶり!」
「久しぶり!」
「優勝したの凄かったよ!」
そして、ぬいぐるみの方に目をやる。
「わぁ…!一目惚れしちゃった。」
ぬいぐるみをじーっと見つめる。
「これください!」
おとねちゃんはずっとぬいぐるみを見つめながら、そのまま歩いて行っちゃう。
「おとねちゃんいい人だね!」
「うん。そうだね。」
それから、今度は他の学校の子がやってきたの!
「みちかちゃん!」
「あゆみちゃん!来てくれてありがとう!」
「友達の文化祭、行きたいよ!絶対楽しいし!」
2人は仲良く話してた。
そのうち、あゆみちゃんが、「良ければ一緒に回らない?」と言う。
すると、私の方を少し心配そうに見てた。
「私は大丈夫!2人楽しんできて!」
「ありがとう!」
そして、私は1人だけになった。
少し寂しかったけど、みんながぬいぐるみを可愛いって嬉しそうに見る顔が幸せな気持ちになったの。
次にやってきたのは…。
大人の2人だった。
私は顔を見て驚いた。
お母さんとお父さんだったんだ…。
お母さんは私の頭をいいこいいことなでて、ぬいぐるみを買っていく。
その時の2人はとても仲良さそうだった。
───────
<h3>みんなへのおくりもの</h3>
みおはみんなの前に立って言う。
「先輩たち!これからしたいことがあるのです。」
「何かな?なんでも言って欲しい!」
すすむくんは笑顔で話す。
「えっと、私には夢があります!」
「それは、この学校を可愛いものでいっぱいにすること!」
「みおさんの思想でも言ってたね。可愛いものがいいって。」
「はい!」
僕は言った。
「でも、どうやってするの?」
「考えてあります!」
とみおは嬉しそうに話す。
「学校をお花で沢山にしたり、可愛い人形を沢山置いたりとかです!」
目をキラキラと輝かせる。
「花は枯れちゃうかもだし、人形はそんなにあるの?」
みおは変わらず嬉しそうにしてる。
「造花にしようかなと考えてます!そして、人形さんはうちに1000以上あるので大丈夫ですよ!」
「確かにそれなら大丈夫なのかな…?
って、1000以上!?」
僕は思わず驚いた。
「どうしてそんなにあるの?」
「小さい頃から可愛いものに目がなくて。毎日が運命の出会いだったのです…。」
「そうだったんだ。」
「はい!」
「でも、みんながどう思うかな…?いいと思うのなら大丈夫だと思うけど!」
「それなんですよね…」
僕は心の中で思った。
ちょっとアンチみたいなことしちゃったかな…。
「みおさんがいいと思う方向に進んだらいいな。」
少し彼女の様子を見ていたが、元気そうに言った。
「ありがとうございます!」
それに少し安心する。
「思いついたんですけど、今の生徒会長さんに聞いてみます!」
「いいと思うよ!」
それから、みおさんは、にわのさんの元へ行った。
「生徒会長さん!」
みおは元気な声で言った。
「はい、みおさん、何でしょう?」
「したい事があるんですけど!この学校を、可愛いもので一杯にしたいんです!」
「可愛いものって?」
「お花や、お人形さんとか色々です!」
「私はいいと思いますけど…。先生や、生徒のみんながどう思うか…。」
「それに、私にはそんな権限はないので…。」
「そうですか!」
「はい。もし、みんながいいってくれたら、もしかしたらできるかもですね!」
「ありがとうございます!」
それからみおは、2年生の教室に向かう。
それなりにひとが集まってるのを見ると、彼女は言った。
「皆さん!私にはしたいことがあります。」
彼女に視線が集まった。
「あ!みおさん!」
小さく会話する声もある。
「みおさんって、校長先生の孫って噂があるよね。」
「うんうん。生徒と、先生の関係というよりか、親子みたいって聞いたことある。」
1人が「したいことってなんですか?」と彼女に聞いた。
「この学校を、可愛いもので一杯にしたいのです!」
女子が言う。「可愛いものってなんですか?」
「ぬいぐるみさんとか、お花さんとか色々です!」
数人の女子が話し合う。「それいいかも…。ドリームワールドハイスクール…!!」
しかし、男子の数人が、「そんなの学校じゃないじゃん。」と話す。
男子達に聞いた。
「どんなのにしたいの?」
「可愛いものより、カッコイイものがいいっしょ。」
その後、1人が「ロボットとか」と言った。
「ロボットさんの人形はないけど、リボンを付けたりとか…?」
男子は「ロボットじゃなくていいよ。」
「でも、可愛いもの以外の男子の趣味にもあったやつをいれるならいい」と話す。
みおさんは「なるほど。」と言って、メモ帳を片手に書いていった。
それを、1年生、3年生と全学年クラスでやっていく。
にわのさんの元へ戻る。
「みおさん、聞きましたよ。行動力凄いですね。」
「したいことのためなら、沢山頑張ります!」
「そこまでしたいんですね。」
「はい!」
「いいと思うけど…。ところで、先生には聞いたの?」
「まだです!今から、校長先生に聞いてきますね!」
そう言って、行ってしまった。
「大丈夫かな…?」
それから少ししてみおが、にわののもとへもどってくる。
「どうでしたか?」
「条件つきでいいって言われました!」
「条件付き?」
「はい!
わたしが、沢山の票を集めて次の生徒会長になれたらいいって!」
「なるほど…。みんなに選ばれたら、みんなもあなたの考えを、少なからず認めてくれてるってことになるもんね。」
「はい!もちろん、わたしがこういうことをしたいって言うのはちゃんと言うつもりです!」
「そう。」
「はい!」
みおは笑顔でにわのを見つめる。
「ところで…可愛いものって人形とかって言ってたよね。」
「はい!」
「そんなに沢山あるの?」
「ありますよ!学校の地下に沢山置いてあります!」
「地下!?そんなものこの学校にあるの?」
「ありますよ!人形が沢山あって、知られてないですけど!」
「よくおじいちゃんと行きます!」
「そうなの…。よければ、私も連れて行ってくれない?」
「いいですよ!」
それから2人は、学校の地下に行った。
そこには沢山の人形があって、にわのはおどろきのあまり声がでなかった。
────────