<h3>うまれかわった!</h3>
僕は生まれ変わった。過去の記憶もしっかり残っている。
これからの未来は明るい。
自分の目的や、使命も決まっているから!
僕はずっと家で過去のことを考えながら、小学生の年齢になった。
これから、周りの小学生に僕の考えを伝え広めて、僕がナンバーワン影響人間となるのだ!
僕は心の中でぐははと笑いながら、少しして、小学校へ行く。
馴染みづらかったので、すぐには言い出せなかった。
数日が経って、言おうと心の中で決意する。
ざわざわ遊んだり騒いでる同い年の小学生達。
僕はニヤリと笑っていった
「みんな!聞いてほしい!」
すると、ざわざわはやんで、僕の方へ目がそそがれた。
「ヴィーガン?なにそれ。」
「動物とか食べたりしないことだ!」
「動物?食べないよ。」
みんなも同じ様子だった。
「え?じゃあ、野菜!野菜は食べてるか?」
「やさいも食べないよ。」
「じゃあ、何を食べているんだ!」
「水とか。」
みんなも同じ様子。
心の中で思う。水‥?
水は食べるというより、飲むなんじゃないか‥?
水しか飲まないのか‥?それはおかしいだろう‥。
でも、ふと、僕は考えてみた。
今まで食べていたのはなんだったろう‥?
そうだった‥、うまれてからずっと、自分も水しか飲んで来なかったのだ。
それから、場面は給食の時間になる。
みんなにはコップ一杯の水が配られる。
なんなんだ、この状況は‥。
いただきます。を言ったあと、一斉に口にいれる。
そして、すぐさま「ごちそうさま」を言った。
僕はこの環境で過ごしていたのか‥。
先生に何を食べるのか聞いても“水”の一択だった。
最早、水は食べ物なのかもしれない‥。
僕は、何故か、それを納得していた
───────
目を覚ますと、そこは家のベッドの上だった。
僕は生まれ変わってなかったのか!
親もしっかりいる。
鏡を見ると、いつもの姿。中学生の自分。
名前も変わってない。
今日、出発する準備もできている。
学校に行こう!
そうして、僕は出発した───────
<h3>恋した人‥。</h3>
僕は恋におちた‥。
屋烏の愛。それは、この気持ちのことをいうのだろう‥。
待っている間、屋根にとまるカラスを見つめていた。
「待たせてごめんね。」
そうして、彼女は出てくる。
「全然待ってないよ!カラスとエコーロケーションしてた。」
「え‥?なにそれ‥。」
「分からない。あ、でも、コウモリだったか‥。」
「それで何の用なの?」
「きみこさんって漢字どう書くの?」
「公園の公に子供の子だよ。」
心の中で思う。違った‥。
でも、もしかしたら、学んできたとおりの人かもしれない。
僕は三枚の紙を取り出した。
「ここにはあたりと書かれた紙が1枚あって、残りはハズレと書かれているんだけど。」
「うん。」
「もし、あたりをひいたらご褒美を、ハズレをひいたら罰ゲーム。このゲームをしないかな?」
僕は心の中で思った。実はこの中にはハズレしかない。
どうくる‥?
「えー!面白そう。」
あやうきに近寄る‥。
僕はいけないけないと首を降った。
「はい、どうぞ。」
すると、やっぱり、ハズレだった。
「あー‥。罰ゲーム。」
「ごめん、実は全部ハズレだったんだ。」
「えー、そうだったの‥。私、よく引っかかるんだ‥。」
「豹変しない‥。」
「え、どうしたの?ひょうへん?」
「なんでもないよ!こっちのこと。」
今まで学んで来たことが、逆に足を引っ張ってる‥。
僕はいけないいけないと首を降って、敢えて、例の慣用句などは忘れることにした。
「それで、罰ゲームって何かな?」
「あれは全部ハズレだったからしなくてもいいんだよ。」
「折角だからどんなものなのか。」
僕は罰ゲームについて考えた。
「何か僕に有利なゲーム対戦して遊ぶとかかな‥?」
「ゲーム!楽しそう!しようよ。」
きみこさんはとても乗り気だ。
「真剣勝負ね!私、負けず嫌いだから、絶対勝つよー!」
僕は思った。
なんだって‥⁉
僕に有利じゃないといけない&更に負けず嫌い‥。
言ってしまった以上、有利なゲームを選び、更には正々堂々対戦しないといけない。
もし勝ったら‥。
「ピュロスの勝利‥!」
「え、なにそれ?」
「うん、何でもないよ!」
「きみこさんごめん‥。なんだか家に帰りたくなってきた。」
「帰心矢の如しって感じかな‥!」
「え、そうなの‥。光陰矢の如し?」
「ごめん、じゃあね。」
僕はそのまま走って帰ったのだった─────────
<h3>この世界での考え</h3>
僕のクラスでは、変わった陰謀論が流行っていた。
僕は思った。みんな変わってるな。そんなことある訳ないだろう…。
行ったことも見たこともないのだから…。
僕のクラスはやけに変わってる人が多い。
僕はまともで良かったな。って思ってる。
ところで、また、変わってる人達が話してる。
「慣用句、ことわざ、たまにあることで苦しくなるんだよね…。」
「え。じゃあ、覚えない方が良い?」
「あることで助けられることも多いんだ。先人の知恵だね。ありがたいよ。」
「自分ができないって嫌になったときも、名人でも失敗することがあるってことわざがね。」
「確かに。少し安心するかも。」
「だから、僕は嫌なものもあるけど、慣用句、ことわざが大好きなんだ。」
「そっか。」
その時、二人は僕の方を見た。
僕はその2人を直視しすぎていた。
「彼は誰だっけ?」
「平平平平(へいへいへいへい)くんだよ。」
「すごいね。溶溶漾漾(ようようようよう)みたいな名前だ。」
「え、なにそれ?」
「知らないの?有名な言葉だと思ってたけど。」
「君は相変わらずズレてるね…。何を勉強したら知るの。」
僕はクラスを出る。
そして、歩きながら考えた。
自分の話が出たのが気になった。
僕はまともだから…。
前からにせいくんがやってきた。
彼もまともじゃない。なるべく声をかけられないようにふるまおう。
しかし…。
「良ければ話を聞かせてもらえませんか?」
僕は仕方ないと思った。
「あなたは何か考えを持っていますか?」
「考え…?」
僕のまともな考えを聞きたいと…?
まとも過ぎて、多分、彼は僕の前から居なくなってしまう。
いいだろう。
「僕はこの、住んでいる星は平らだと思う。」
「フラットアーサーですか?」
「確かに似ているが、僕の考えは違うかもしれない。」
「というと?」
「円にはなっておらず、線分でもない。永遠に直線でできて、進んでも進んでも同じ地点には、振り返って戻らない限り来れない。」
「説明は難しいけど、そういうことです。」
にせいは「面白い考えですね。」と言った。
彼の言葉に驚いた。いつもだったら反対のことを言ってきたのに。
どういうことだろう。
もしかしたら、僕がまともだから褒めるしか言えなくなったのかもしれない。
<h3>作戦</h3>
にせいと、さくしゅは話ながら歩いていた。
「作戦って何?」
「その前に、君の上の名前、なんだったかな?何故か覚えられなくてね。」
「宗教の宗に、多いの多で、宗多(しゅうた)だよ。」
「それは丁度いい名前だ。」
「え?」
「さくしゅくん、君の宗教に人を集めるんだ。」
「ごめん…それはできない…。」
「どうして?」
「この宗教は、僕の家族しか入れないんだ…。ご先祖様達がそう決めてて…。」
「なら棄教すればいい。君はもう何もされないはずだ。」
「ごめん…それはできないんだ…。でも、考えておくよ…。」
そのまま無言の時間が続いた。
途中、公園を通りすがる。
にせいの聞き馴染みのある声が耳に。
「にせいくん、凄いね。あの人の周りに沢山の人が。」
にせいはゆっくりと、その方を見た。
「こうよさんですか。」
「知ってる人なの?」
「えぇ。彼なら、もしかしたら、助けてくれるかもしれません。」
しかし、彼は首をふる。
「いいよ…。これは仕方ないことなんだ…。」
こうよの元から人が去ると、二人の元へ彼がやってきた。
「こんにちは。何かあったのかな?」
「彼の名はさくしゅ。困っていることがあるんだ。」
「困ってること?」
「えぇ。彼の入ってる宗教。その事で、他宗教に、嫌がらせをうけている。」
「強引に、棄教しろと迫っているんだ。親の関係もあり、抜けることはできない。」
「僕はさっき、棄教をすすめたが、矢張り、根本的な解決にはならないと思った。」
「そうなんだね。」
こうよは「大変だね…。」とさくしゅを見た。
「そこで君が彼を助けてあげて欲しいんだ。」
「僕にできることがあれば。」
「そうだよ。君は話し合いをよくしているだろう?」
「うん。」
「宗教家達と話し合って欲しいんだ。」
「分かった。その人たちを教えてほしい。」
すると、さくしゅは言う。
「いいよ…僕のことは大丈夫…。困ってないから…。」
「そうか、いいそうだ。」
にせいはこうよを見る。
「彼がそう言うなら。でも、もし、してほしいときは言ってね。」
「分かった。」
それから、こうよと二人は別れる。
「断るのか。やっぱり、君は、現状で満足してるようだな。」
「うん…。このままでいいんだよ…。」
「決めたよ。僕はもう何もしない。」
「分かった。それでいいよ…。今までありがとう。」
二人も別れたが、にせいの心の中では何かもどかしい気持ちがあった。
<h3>物語のお話</h3>
「それでね、どるさんとこんな事があったの!」
「そうなんだ。色々チャレンジして楽しそうだね。」
「そうなのー!どるさん凄いの!」
休みの日、私とこうよは家でお話していた。
「ところでなんだけどね…。」
「うん、どうしたの?」
「物語を考えないかな?」
「いいね。考えたいな!どんなものを作る?」
「えっとね、えっとね。こうよ、何かアイディアないかな?」
「それなら、メモ帳を使おう!」
「あー!いいね。ここにあった言葉が見つかるかも!」
そうして、私は、こうよが開くメモ帳を隣から見てた。
そして、私はつぶやく。「チェーホフの銃…?」
「この用語?」
「うん…。やっぱり、ちゃんと考えないとかな…。」
すると、こうよは微笑む。
「意味がなくてもいいんじゃないかな?この考えは素晴らしいと思うよ。」
「だけど、僕は、意味がないものも素晴らしいと思うんだ。」
「ありがとう…。」
完璧なあなたじゃなくてもいい。こうよは優しくあって…
「思いついたんだけど!」
「そうなんだ!良ければ教えてほしいな。」
私は「うん。」と頷いた。
「恋愛ものなの!」
私の好きな人、それは頑張り屋さんなの。
勉強をいつも頑張ってる。
才能はないけど、コツコツ毎日続けて…。
フット・イン・ザ・ドアみたいに、優しい問題から難しい問題へ…。
千里の道も一歩から。いずれ、どんな問題も受け入れられるって信じてる。
ひたむきな彼に惹かれた。
だけど、ある日…。
彼は変わってしまった。
怪我をしてしまって…。
「おぉ!僕の大切なノート。もう絶対にはなさないよ。」
私が行くと、「大切なノートは絶対に誰にも渡さない!」って…。
だけど、そんなときでも、私は彼のことが好きだった…。
結晶作用…?
それはわからない。だけど、気持ちはずっとあったんだ…。
ある日、彼のお母さんが、彼からノートをとった。
とても悲しそうで…私は自分のノートを渡します。
彼はとっても嬉しそうでした。
「それはあなたのノートじゃないけど、いいの…?」
「僕は世界中のノートが好きなんだ。」
私はそれを聞いて、なんだか、嬉しかったのでした。
こうよは最後まで話を聞いてくれたのです。
<h3>こうよ</h3>
「ゆうほちゃん。」
私は微笑んだ。でも、今日は少し元気がなさそう…。
「あ…せらちゃん…。」
「何かあったの?」
「最近ねー。全然遊びが思いつかなくて。」
「そういう時あるよね…。」
「うん、そうなの…。せらちゃん何かないかな…。」
私は考えた。
「そうだ!こうよのメモ帳とかどうかな?」
「メモ帳?」
「うん、沢山言葉が載ってるの!」
「見てみたい!」
そして、私達は、こうよの元に行きました。
「メモ帳を見せて欲しいの?うん、勿論いいよ!」
彼は優しく微笑む。
私はゆうほちゃんに渡した。
「カラーバス効果!ゆうほちゃんならきっと見つけられるよ!」
「ありがとう!」
数分後…。
「これ、面白いかも!」
そこに書かれていたのは“タイポグリセミア”だった。
「どんなものなの?」
「最初と最後の文字以外の順番が入れ替わっても読めるってものなの!」
「とても面白そう!」
その後、こうよを読んで遊びました。
「二人ともありがとう!遊び思いついた!」
「こちらこそ、楽しい遊びをありがとう。」
こうよは微笑む。
「また遊ぼうね!」
「うん。」
こうよと私は手を降る。
それから帰る時間になって、いつものように話ながら歩いた。
「こうよ、いつもありがとう。」
「せらさん。」
「あのね、将来もずっとこうよと一緒に居たいなって…。」
「僕も居たいよ!」
「嬉しい!こうよは私の夫かな…?」
すると、こうよは目をそらした。
「関係ない話を悪いけれど、子供は作らないと決めてるんだ。」
「そうなんだね。どうして?」
「子供をつくると、自分の子供だけに精一杯になってしまうと思ってて…。」
「僕はなるべく沢山の人に、希望を与えたいんだ。」
「こうよ…。」
私は心の中で思った。あなたらしい…。
「私もつくらない!」
私はそう言うと、彼は何も言わず、微笑んでいた。
無言が続いたので私は考え事をした。
こうよはいつも優しいな…。私は、この機会だし…と思った。
「こうよ、実はね…。」
「どうしたの、せらさん?」
私が話す言葉に何も言わず頷いた。
だけど…。
その日はこうよはとても悩んだような顔で、話せなかった。
<h3>あの一言</h3>
あのときの記憶‥。
私はしっかり聞いた。お父さんの最後の言葉を‥。
「よ‥う‥‥せい‥」
「ようせい?
ようせいって何‥?」
私の声は届いてないようだった。
お父さんは目を瞑りながら、苦しそうに‥。
そして、間をあけながら言ってた。
「もし‥叶うなら‥その子を‥希望を与える人間に‥してほしい。」
「な‥に‥希望を与える人間は‥残酷だ‥。死の直前、多く‥‥に悲しまれるからね‥」
「お父さん、何を言ってるの‥?」
私は何度も言った。けれど、届かなかった‥。
「ありがとう‥。娘を頼むよ‥少年‥。」
私のお父さんはその直後、息をひきとる。
私はその時、おばあちゃんの家に居たけれど、病気があって一緒にいれなかった。
親同士仲の良かったこうよの家に引き取られることになったんだ‥。
そして‥。
こうよはあのことを言った。
「僕は妖精を見たことがある。」
私はあの事だって思った。
「そして、僕は希望を与えるためにうまれてきたって。」
やっぱり‥。
「お兄ちゃん達にはそんなことあり得ないって言われちゃったけど‥」
「あった!」
こうよは少しびっくりして私を見た。
「きっとあったよ!」
「ありがとう。」
こうよは優しく微笑んだ。
そして、心の中で思ったの。
私には責任があるって‥。
───────
ある日のこと、こうよは私の元に来ていった。
「ごめんね…。」
「こうよは何も謝ることしてないよ…!」
「君にずっと背負わせてしまっていた。」
「大丈夫!私が勝手にしてただけだから…。」
「せらさんは優しいね…。」
「こうよが優しいからだよ…。」
「お父さんのこと、何も負担に思わなくて大丈夫だよ。」
「いいえ、思いたいの…。」
「君のお父さんのおかげで、僕は、希望を与えようって思えてる…。」
「これは僕の運命なんだ。」
「こうよ、私も…!」
彼は私の言葉には、何もかえさなかった。
「高校生になったら、一人で暮らそうと思うんだ。」
「え、どうして…?」
「ごめんね…。」
謝るばっかり…。
私は悲しくなった。
<h3>お別れの日</h3>
それから、私は、家でもあまりこうよと話さなくなった。
でも、家族のみんなと自然と私は打ち解けていた。
なんでだろう…。
そして、中学校はもうそろそろ卒業の時期…。
ある日の休日。
私は折角だからって、こうよとくらやくんを呼んだ。
私は待ち合わせ場所にはやく来て、2人を待った。
すると、くらやくんがすぐにやってくる。
「もう来てたんだ。」
「うん。くらやくんもはやい。」
「せらさん。」
彼は周りを見ると、人気のない場に私を連れていった。
「実は君のことが好きだった。付き合って欲しい!」
私はとても驚いた。
「急に悪い…。」
「ううん。大丈夫。」
「付き合うことだけど…ごめんなさい。まだ待って欲しいんだ。」
「分かった。」
少し気不味かったけれど、何もなくてこうよも集まる。
「今日は楽しもうか!」
こうよは微笑む。
私は思った。この日で、もう…。
三人で遊園地に向かう途中、にせいさんって人にあった。
彼はこうよのこと、ライバルって言ってた。
その時、くらやくんは怒り気味で…。
色々あったけど、遊園地に到着した。
私は思う。
楽しいな…。そして、懐かしい
────────
くらやくんと別れて、こうよと二人きり。
「今日はありがとう。」
「こちらこそ、楽しかった。誘ってくれてありがとう。」
「ううん、こちらこそ。来てくれて嬉しかった。」
「それで、こうよ…。行ってしまうの…?」
「うん。僕は自分のすること、生きている間はそれを果たしたいんだ。」
「わたしはね…。こうよと一緒に居たいんだ…。」
「僕もだよ。」
「あなたと過ごす日々が大切なの…何にも変えられない…。」
「私はあなたのことが好き…。」
「僕もせらさんのことが好きだよ。」
こうよは私の目を見つめた。
「僕のところにはいつでも来ていいよ。そのときはいつものように話そうね。」
私は頷いた。
「そして、せらさんが楽しい日々を過ごせたらって。いいことがあることを願うよ。」
彼は最後に「大丈夫だよ。」と微笑んだ。
変わらない優しい笑顔だった
─────────
こうよが去って…
お兄さんから、こうよが私のこと頼むって何度もお願いしたと聞いて目から涙がこぼれた。
<h3>私の決めたこと</h3>
あれから時が経った。
私は大人になった。
こうよは私に「大丈夫だよ」って笑う。
あの時から殆ど会ってない。
こうよ優しいから、きっと、責任に感じて‥。
ある日のこと、私はこうよの家にいった。
彼は一人の赤ちゃんを連れていた。
「この子、どうしたの?」
「孤児なんだって‥」
「そうだったんだ。」
私は少しびっくりしてた。
こうよは昔に言ってたの。子供はつくらないって。
みんなに希望を与えたいからって‥。やっぱり、そうだったんだと思った。
「良ければ私が‥」
そう言いかけた時、家に誰かがやってきた。
「あなたはくらやくん‥。」
「せとうくんに会いに来たんだ。」
「ちょうど良かった!私とくらやくんでその子を育てたいと思うの!」
「え‥?くらやくんはいいの?」
「僕は大丈夫だけど。」
「こうよは大丈夫。あなたはあなたの進みたい道に進んで。」
「本当にいいの?」
「うん。」
私は微笑んだ。
「この子、名前は何ていうの?」
「分からないんだ。」
「なら、私が考えるね。」
私はその子をそばによせて見つめた。
「あなたは‥そう、すすむ!目の前の道を進んでいく、すすむ。」
「いい名前だね。」
こうよは微笑んだ。
私は昔から、こうよのことが好きだった‥。
だから、あなたが本当に望んでいること‥。
この子が進みたい道をただ前に進んで欲しい‥。
「きっと大丈夫。」
こうよはすすむの頭をなでる。
「未来にはいつも希望が広がってる。」
相変わらずの優しい笑顔。
それからこうよと続けて話して、くらやくんと外に出た。
その途中で話したんだ。
「急にごめんね。」
「大丈夫。嬉しかった。」
「ありがとう。」
「これから、すすむと君のこと、幸せにしたい。僕じゃ無理かもしれないけど‥。」
「気負わなくて大丈夫よ。」
私は微笑んだ。
「やっぱり、こうよと似てる。」
「そうかな?ずっと一緒に居たけど、私、好きだったんだ。」
「それは僕もだよ。せとうくんのことがずっと好きだった。」
「人気者だねっ。」
それから、私達は、名字をせとうに決めた。
<h3>僕の願い</h3>
僕は心の中で思った。
せらさん‥くらやくん‥ごめん。
ありがとう。
僕はこれからも、今までのように生きていく。
あの時の妖精さんはもういない。
だけど‥。
目の前には小さい子供たちがいた。
一人は僕のことを「お兄ちゃん」と呼ぶ。
「どうしたの?」
私は座って、その子の目を見た。
「またお話したい!」
「いいよ!」
ここに居る子達、一人一人は大切なものをそれぞれ持ってる。
幸せな今、そして、未来が待つことを願い言った。
「いつも、どんな時だって希望はある。」
その子達は自然と、明るい顔になった。
そして‥
家には兄の子供が来る。
出会ったとき、その子は僕のメモ帳に興味をよせた。
そして「あるけ!あるけ!」と何度も言った。
「この中に書いてある用語に興味があるのかな?」
すると、その子は笑顔になる。
「うん、いいよ。」
僕はまずはじめにいった。
「既知は有限、未知は無限。だからこそ、希望がある。」
その子は段々と、自分で色々なことを自分で新しく考えるようになった。
この子にとって、大切なものを見つけたのかも。
僕は嬉しかった。
そして、同時に、自分の中の何かを予感していた。
「このメモ帳、君に託していいかな?」
「メモ帳、いいの?」
「うん。」
「やった!ありがとう。」
そして、その日、僕は小さな声で今までありがとうと言う。
僕は一人、家に居た。
もう少しで僕はこの世の人でなくなるだろう‥。
その時、何故か、妖精のことを思い出した。
「妖精さん‥。」
僕は妖精さんのおかげで、色々な人達と、大切なものと関わることができた。
感謝しかないよ‥。
すると、白い妖精さんが、僕の目の前に現れた。
あの時に出会ったものと全く変わらない。
「懐かしい‥。」
「久しぶりです。」
「僕は君に感謝しようと思ってたんだ。ありがとう。」
「こちらこそ。最後に何か叶えたいことはありませんか?」
妖精さんが何か言っていたようだったが、僕は聞こえなかった。
「未来はいつも明るいから‥。」
あの子供たち、そして、少年、それから全世界の人の幸福‥
心の中でそれを願った後、息絶えた
──────